ECサイトには、大まかに分類すると自社ECとECモールの2種類があります。
どちらにもメリット・デメリットがあるため、自社ECサイトを立ち上げる際に、どんな運用方法にしたいか、どんな機能が必要か……など要件を決めて、構築方法をよく検討することが重要です。
今回は、自社ECサイトのメリット・デメリットと、ECモールとの違いについてご紹介いたします。
ECサイト立ち上げを考えている方は、是非参考にしてみてください!
目次
自社ECサイトとモールECについて
ECサイトの始め方として、自社でECサイトを構築する方法と、ECモールに出店する方法の2種類の方法があります。
自社ECサイト
独自にECサイトを構築する方法です。いちから構築したり、パッケージやオープンソースを利用したりと、方法はいくつかあります。自社ECサイトでは、自社の製品のみを販売します。
ECモール
Amazon、楽天市場などの通販サイトの中にショップを出店する方法です。1つのサイトの中に、複数のお店が出店しています。
自社ECサイトではその企業の商品を専門に取り扱うのに対し、ECモールでは様々なお店が同じ商品を販売しています。
どちらもオンラインショップということでよく似ていますが、お店の出し方はまったく違うことがわかりますね。
自社のECサイトを構築するメリット3選
自社ECサイトを構築するのは大変ですが、その分メリットも大きいです!
主なメリットは3つありますので、次からご紹介いたします。
機能やデザインの自由度が高い
モール型のECサイトでは、デザインは出店するモールに準ずるため独自色を出すことは難しいですが、自社ECサイトでは、思い通りのデザインでサイトを作ることができます。サービスのイメージやユーザー層にぴったりのサイトデザインにすることで、商品のアピールもしやすくなります。
また機能面でも、ECモールでは既に実装されている機能以外は利用できませんが、自社ECでは運営に必要な機能を実装することが可能です。
利益率が高い
自社ECサイトでは、ECモールでの出店料や販売手数料のように、売り上げが取られてしまうということはないため、利益は全て自社へ還元されます。
そのため、長期的にECサイトを運営することを考えると自社ECサイトを構築するほうが利益に繋がります。
データ収集やマーケティング施策を行いやすい
自社ECであれば、ページにアクセスした人の行動やページ毎のアクセス数・離脱数を取得・分析し、集客の為の施策を講じやすくなります。
情報を分析していくことで、ユーザーにとって最適なECサイトを考え、より使いやすいECサイトに改善していくことができます。
自社のECサイトを構築するデメリット3選
メリットを3点上げましたが、自社ECサイトにはデメリットもいくつかありますので、ご紹介いたします。
集客が難しい
初めてECサイトを開設する場合、開設直後からたくさんのユーザーを集めることはかなり難しいです。
商品がまだ有名でなくてECサイトまでユーザーがたどり着けなかったり、ECサイトを開設していることをユーザーが知らなかったり、といった理由があります。
元々サービスや商品が広く知られている場合はその限りではありませんが、そうでない場合は成果が出るまでに時間がかかります。
運営コストが大きい
ECサイトを設置するためのサーバー費用や、独自のドメインを利用したい場合は独自ドメイン費用、セキュリティ対策の為にSSL証明書を払う必要があります。
その他、カスタマイズ性の高い自社ECサイトでは改装に専門知識が必要になるため、専門知識を持つ人が社内にいない場合は、人材確保のための人件費が必要です。
システムが古くなる
いちから構築したり、パッケージやオープンソースを利用した構築方法では、システムが古くなってしまうというデメリットがあります。
システムが古くなると、動作が重くなってきたり、セキュリティが弱くなってしまったり、新しい技術を導入しづらくなったり、といった問題が起こる可能性があります。
システムのアップデートで対応可能な場合もありますが、もしアップデートでの対応が難しい場合はECサイトを構築し直すことになってしまいます。
自社でECサイトを構築する5つの方法と構築費用
自社でECサイトを構築する、と一口で言っても、方法はいくつかあります。
主に「ASP」「クラウドサービス」「有料パッケージ」「オープンソース」「フルスクラッチ」の5種類に細分化できます。
この5種類の中から、予算感やいつまでにECサイトを開設したいか、などを考えて選ぶのがおすすめです!
1ASP
ASPは、Web上で必要なシステムをレンタルしてECサイトを構築する方法です。
初期費用・月額費用もそれほど高くなく、ASP側でシステムを常に最新の環境に保ってくれるため、システムが古くなりません。
カスタマイズの自由度低いかわりに、ECに必要な機能がすべてそろったシステムをレンタルできるので、専門知識がなくてもサイトを立ち上げやすいという利点があります。
初期費用が数千円、月額費用が10万円以下と、安価です。
ショップの開設にかかる時間も最短で1~2時間程度で、比較的簡単に立ち上げが可能です。
2クラウドサービス
クラウドサービスは、クラウド上で提供されている機能を使い、必要な時に必要な分のサービスを利用してECサイトを構築する方法です。
低コストでECサイトを開設でき、カスタマイズの自由度も高いです。また、こちらもシステムが古くなる心配はありません。
初期費用が数千円、月額費用が10万円以下と、安価です。
こちらもショップの開設にかかる時間も最短で1~2時間程度で、比較的簡単に立ち上げが可能です。
3有料パッケージ
有料パッケージは、パッケージをもとに独自のカスタマイズを施し、ECサイトを構築する方法です。
パッケージにはECサイトに必要な機能がそろっていますが、自社用に必要なシステムを追加で開発することが可能です。
セキュリティ面での安全性も高いです。
こちらは、自社で定期的にアップデートを行う必要があります。初期費用や月額費用も、ASPやクラウドサービス型と比較して高額になります。
システム開発を伴うため、ショップの開設には3~6ヶ月ほど必要です。
4オープンソース
オープンソースは、公開されているソースコードを使い、自社で独自にカスタマイズしてECサイトを構築する方法です。
初期費用を抑えた上で、デザイン・機能面で自由度の高いカスタマイズを行えます。
公開されているソースコードを用いるため、セキュリティ面で不安が残ります。そのためセキュリティ対策は必須です。
脆弱性などが発見された場合は、自社にて対応が必要になります。
こちらも自社で定期的にアップデートを行う必要があります。制作費以外では初期費用はかからず、月額費用は数千円ほどと、コストパフォーマンスの面で優れた構築方法です。
システム開発を伴うため、ショップの開設には3~6ヶ月ほど必要です。
5フルスクラッチ
フルスクラッチは、自社でいちからサイトやシステムを立ち上げ、ECサイトの構築をする方法です。
管理画面や機能、デザインなどの細かい部分からフルカスタマイズが可能で、個性を出しやすいことがメリットです。
いちから構築するため、莫大な費用と開設までの期間が長くかかる点がデメリットとして上がります。
定期的にOSのバージョンアップやセキュリティ改善に対応する必要があります。
制作費・初期費用は数千万円かかり、ショップの開設まで1年以上の期間がかかる場合が多いです。
構築方法の費用・制作期間の比較
右へスクロールしてご覧ください。
構築方法 | 製品例 | 初期費用 | 月額費用 | ショップ開設 最短期間 |
---|---|---|---|---|
ASP | カラーミーショップ Makeshop | 数千円〜 | ~10万円 | 1〜2時間 |
クラウドサービス | BASE STORES Shopify | 0円 (制作費は除く) | 0~10万円 (手数料は除く) | 1〜2時間 |
有料パッケージ | ecbeing コマース21 | 500万円~ | 10万円~ | 3〜6ヶ月 |
オープンソース | EC-CUBE Magento WordPress | 0円 (制作費は除く) | 数千円〜 | 3〜6ヶ月 |
フルスクラッチ | – | 数千万円~ | 数十万円〜 | 1年〜 |
それぞれの構築方法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事で開設していますので、是非ご覧ください。
ECサイトの構築方法・立ち上げ方を解説!必要な費用・期間・手順は?
自社ECサイトの成功事例
自社でECサイトを持つ企業の、ECサイト成功事例を4つご紹介いたします。
ユニクロ
ユニクロは世界展開もしているアパレルブランドで、コロナ渦でECの売り上げを伸ばした企業のひとつです。
ECサイトでは、「オンラインストア限定サイズ(大きいサイズ・小さいサイズ)」を取り扱っています。店頭に置いておいてもあまり手に取ってもらえないけど、小さな需要のある商品もオンラインで購入できるようにしておくことでユーザーニーズもばっちり満たせていますね。
また、ユニクロでは店舗受け取りも行っています。オンラインショップで注文をすると、指定のユニクロ店舗に届けてくれます。店舗受け取りのため配送料はかかりません。
いろいろな施策を行っており、ECサイトに力を入れているのがわかりますね。
LOWYA
LOWYAはおしゃれな家具・生活雑貨を取り扱うブランドです。InstagramやTikTokなどのSNSを活用し、ECサイトでの成功を収めています。
ECサイト内にもSNSでバズった商品のページや、ユーザーがLOWYAの商品を使った生活空間の写真を投稿したInstagramを紹介する欄があり、SNSの施策が多く行われています。
また、商品だけでなくサイトやバナーも綺麗でおしゃれな雰囲気で統一されていて、LOWYAというブランドのアピールも素敵ですね。
ニトリ
ニトリは様々な家具・生活雑貨を取り扱うブランドです。こちらもコロナ渦の巣ごもり・おうちじかんの増加に伴い、ECの売り上げを伸ばしました。
ECサイトではネット限定色があったり、ネット限定マーケットが開催されていたりと、ネット限定商品も多いです。
また、InstagramライブとニトリLIVEにてライブコマースも行っており、オンライン上の施策に力が入っていますね。ニトリLIVEではクーポンの配布もしているそうです。
ニトリでも店舗受け取りを行っており、オンラインショップで注文をするとニトリ店舗で受け取りができます。店舗受け取りのため配送料はかかりません。
北欧、暮らしの道具店
北欧、暮らしの道具店は、北欧ヴィンテージ雑貨や生活雑貨、インテリア雑貨、ファッションなどを扱うECサイトです。早期からSNSを活用した集客を行っていました。
YouTubeではドラマが見れて、なんと映画化もしたそうです。サイトではコラムとして読み物を発信している他、ラジオやエッセイラジオも配信しています。
北欧、暮らしの道具店は様々なコンテンツを通して、その商品を使った自分の生活を想像しやすいという点が、成功のヒケツではないかと考えます。
商品ページでは、ブレッドバスケットなら実際にパンを入れた写真や、食卓にジャムやパン、カトラリーと一緒に並べた写真が見れて、自分の生活にこんな素敵なものがあったらな、と思わせてくれますね。
まとめ
今回は、自社ECサイトのメリット・デメリットと、ECモールとの違いについて解説いたしました。
自社ECサイトの立ち上げはECモールに出店するよりも大変ですが、メリットも多く存在します。
どのようなECサイトを運営したいか、どんな機能が必要か、ECサイトの規模感はどのくらいか、など、要件をしっかり決めたうえで、構築方法を選んでくださいね。
BRISKではECサイト制作の無料相談を行っていますので、ECサイト立ち上げをお考えの方は是非お問い合わせください!
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