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ECサイトをAWSに構築・移行する方法や構成事例についての解説

更新日:2024/01/24


本記事ではAWSとは何か、AWSにおすすめのECパッケージや、実際の事例を紹介します。
AWSを導入してECサイトを構築しようと考えている方は参考にしてみてください。

AWSとは?

AWSとはAmazon Web Servicesの略でクラウドコンピューティングを使ったサービスです。
サーバ、ストレージ、サービスだけでなく、機械学習やIoTといった領域のサービスも提供しています。
様々な事業に快適なweb環境と効率化の土台を与えると評判です。

IoT (Internet of Things)
モノのインターネットと訳されます。
モノがインターネット経由で通信することを意味します。
世界中に張り巡らされたインターネットはあらゆるモノがコミュニケーションをするための情報伝送路になりつつあります。

クラウドコンピューティングとは

インターネットを介してサーバ、ストレージ、サービスといったコンピュータを使った様々なサービスを利用することを指します。
手元に1台のPCとインターネットに接続できる環境させあれば、大容量のストレージ、高速なデータベースなどを必要な分だけ利用できます。
クラウンドコンピューティングサービスがないころは自社の建物の中にサーバ機器を設置する方法が多いと思います。これをオンプレミスといいます。
オンプレミスはサーバ機器を購入して管理する必要があり、スペースも確保しないといけません。購入費用もかかりますし、構築まで時間がかかることもあります。
それに対してクラウドコンピューティングはそういった手間が一切ありません。

AWSでECサイトを構築するには?

AWSでECサイトを運用するには、ECサイト運営に必要な機能を備えたパッケージが必要です。
AWSはすでにECサイト運営用のアプリケーションである「eコマースアプリケーション」が用意されています。他にもAWS用のECパッケージを載せることも可能です。

推奨するクラウド構成

会員制サイトやECサイト等の動的なWebサイトでは障害対策や、高い信頼性を実現するために、高い可用性をもったインフラが必要になってきます。
ここでは、それらを実現するクラウド構成の例を紹介いたします。

構成1

下記の構成では、単一障害点を排除し、かつ、アクセスの負荷分散ができます。
負荷が増大した時は、インスタンスタイプをスケールアップしたり、スケールアウトすることで対策できます。

単一障害点
その箇所が働かないとシステム全体が障害となるような箇所を指す。

利用サービス

Elastic Load Balancing
負荷分散を行います。
サーバ上で動作しているアプリケーションの稼働状況をリアルタイムで監視しています。
サーバの能力が限界に近づくと、他のサーバに負荷を割り振ります。
またELBは負荷の状態に応じて自動的にスケーリングを行うので管理者が手動でELBの台数を増やしたり、スペックを上げる必要はありません。
トラフィック上昇が予測される場合は、AWS Auto Scalingと併用することも可能です。

NAT gateway
(Network Address Translation gateway)
プライベートIPアドレスとIPアドレスに変換する技術のことです。
プライベートサブネットにインターネットから接続される危険性を排除しつつ、プライベートサブネット内でインターネットからライブラリなどを取得することができます。

Amazon EC2
(Elastic Compute Cloud2)
仮想サーバ構築サービスです。
構築時間がサーバを購入する場合より短く、ユーザの必要に応じて柔軟にスペックを変更できます。
さらにインスタンスはコピーも削除も簡単に行えるので、新規開発をする際はこの特性を利用してスピーディーに進められると思います。

Amazon RDS
(Relational Database Service)
クラウド内でデータベースのセットアップ、運用を簡単に行うことができるサービスの集合体です。
構築・変更が管理画面から容易にでき、容量追加も容易で拡張性が高いです。

AWS Certificate Manager
AWS内でSSL証明書の発行や発行したSSL証明書の自動更新ができるサービスです。
利用に料金が発生しないため、発行や更新の費用を支払うことなくWebサービスやサイトを常時SSL化することができます。

構成2

予測不能なアクセス数の増加に対し、動的なスケーリング機能を使って運用したい場合の構成です。
こちらの構成では、Amazon EC2をAuto Scaling Groupを用いて動的にスケーリングします。Amazon CloudWatchで監視し、アラームをトリガーすることでAmazon EC2を増減させます。
Amazon EC2が保持していた静的コンテンツは、Amazon S3 Amazon Simple Storage Serviceに配置することで負荷を軽減させます。
データベースはキャッシュとして Amazon ElasticCacheを利用することでリクエスト増加への対策を行います。

利用サービス

Amazon 3S
(Simple Storage Service)
ストレージサービスで、単一のデータに対し複数バージョンを保持したり、
データへのアクセス頻度に応じて特定のストレージクラスに移行しコストを抑制する機能があります。
耐久性・セキュリティ性が高く、万が一の障害やエラーからデータを保護できます。
基本的に、保存されたデータは編集者にのみアクセスが許可されているため、
不特定多数にデータを閲覧、使用されることもありませんが、
暗号化機能によってセキュリティを強化することも可能です。

Amazon ElasticCache
キャッシュ機能を提供するサービスです。高速にデータをやり取りできるので、
要求の厳しいアプリケーションを利用するときに便利です。
スケールイン、スケールアウト、スケールアップが自由にできる点も特徴です。

キャッシュサービス
一度利用したデータを、またあとで使う場合に高速でアクセスできる形に保存する。
つまり、データ取得のパフォーマンスをアップさせること。

Auto Scaling Group
EC2で設定されたEC2インスタンス(仮想サーバ)の配置場所と数を設定する機能。
異常があったEC2インスタンスをAuto Scalingが検知・削除したり、
アクセス数やCPU使用料に応じてEC2インスタンスの数を自動で増減することができます。

Amazon CloudWatch
AWS内で動作する仮想サーバや各サービスを監視できるサービスです。
異常が発生した場合やログで特定のキーワードを検出した場合に
アラートを通知するなど状況に応じたアクションをとることができます。
大きく4つのサービスにわけることができ、リソースを監視するCloudWatch、
ログを集めて監視するCloudWatch Logs、メールなどで通知を行うCloudWatch Alarm、
APIの状態の変化によるイベントやスケジュールでアクションを発生させる
CloudWatch Eventsがあります。

Amazon CloudFront
静的・動的なWebコンテンツの配信速度を高速化させることができるサービスです。
主に3Sから静的Webサイトコンテンツ(画像、CSS、JavaScriptなど)を高速化します。

パッケージ使っての構築

AWSはECパッケージを使うことができます。
以下では、AWSを使ってECサイトを構築するときにおすすめのECパッケージです。

SI Web Shopping on AWS


低コストで柔軟なカスタマイズを実現できて障害にも強いパッケージです。
AWSクラウド環境やネットワーク構築、システム全体の運用・監視、保守サポートなどをワンストップサービスで提供します。
価格が高額なので大手企業に向いているパッケージです。

EC-CUBE on AWS


オープンソース型のECパッケージです。オープンソースなので自社でカスタマイズすることができます。ライセンス費が無料なので、他のECパッケージに比べて開発費用を抑えて構築することが可能です。
デザイン面だけでなく機能の拡張も柔軟に行うことができます。
ただし、システム障害時は自社で対応する必要があるので、技術力が必要です。

EC-ORANGE


ECサイトを多言語で表示することが可能で、管理画面も多言語に対応しています。
カスタマイズ性を重視した、ヘッドレスコマースにも対応しています。
サイト構築費用は1000万円からなのでこちらもSI Web Shopping on AWSと同じように大手企業向けです。

ヘッドレスコマース
フロントとバックエンドを切り離し独立させたシステムのことを指す。
バックエンドへの影響を考えることなくフロントの修正ができるのでスピーディーにページのレイアウトなどを変更することが可能。

Ebisumart


機能や提携サービスが豊富で柔軟にカスタマイズができるECパッケージです。
専任の運用サポート担当者が作業をサポートしてくれ、集客に向けた施策やマーケティングも行ってもらえます。
週に一回アップデートを行っているので、顧客のニーズを迅速に反映し、最新の機能を利用することができます。

AWSのシステム構成事例

AWSを導入して成功した事例をいくつか紹介いたします。

ZOZOTOWN


ZOZOTOWNは日本最大級のファッション通販サイトを経営している企業です。
常時73万点以上の商品アイテム数と毎日平均3200点以上の新着商品を掲載しています。

課題

・毎年最大のトラフィックを迎える冬セール時の対応
・オンプレミス環境を中心に構築しており、最大需要に合わせて物理サーバの増強を行った場合、セール時以外の余剰リソースが生じてしまう。

VMware Cloud on AWSを活用したことでIPアドレスを変更することなく2週間という短期間で環境を構築し3倍のトラフィックを処理することができました。


VMware Cloud on AWS

オンプレミスで展開しているサーバ仮想化環境のVMware vSphereをAWSのクラウド上に拡張できるサービスです。
オンプレミスにある仮想マシンよりもはるかに高速にAWS上のインスタンスとの連携が可能になります。
VMware Cloud on AWSからオンプレミスへと、仮想マシンをダウンタイムなしで戻すことも可能です。
VMware vSphere
仮想化ソフトウェアパッケージ製品で、多数のコンピュータを仮想化して、遠隔から一括で管理するために必要なソフトウェアを組み合わせたもの。
仮想環境のリソース状況に応じ常に最適化を図ることができる。

株式会社大進本店


大進本店は結婚・出産・引っ越し・快気祝い・葬儀・法要などのギフトを提供する店舗を広島・山口県に18店舗構え、ECサイトも経営しています。

課題

・5年に1度の更新・保守対応時に、1か月ほどかけて各店舗を回って夜間に作業をしなければならない。またコストもかかる。
・災害時、復旧に時間がかかる。

AWSに移行したことで、機器の導入・保守のコストが半減しました。
コストを抑えるために、構築中はインターネットVPNで接続し、本稼働時は回線を二重にしたAWS Direct Connectでの接続に切り替えました。
稼働開始直後はパフォーマンス調整の必要がありましたが、Amazon EC2インスタンスのメモリを増強することですぐに対応できました。
店舗のサーバに不具合が起きたときは、すぐに出向いて対応しなければなりませんでしたが、このような負担もなくなりました。
災害発生時はスナップショットから時間をかけずに復旧が可能になりました。


AWS Direct Connect
AWSと自社の拠点や自社のシステムが稼働するデータセンターとの専用接続を実現できるクラウドサービスソリューションのことです。
インターネットを経由せず接続できるので、高いセキュリティレベルを保持しながら、安定した速度でデータの送受信を行うことができます。

BASE FOOD


BASE FOODは1食で1日に必要な栄養素の1/3を摂ることができる完全栄養食をサブスクリプションで提供しています。2022年11月時点で月間定期購入者数は15万人を超えています。

課題

・月間定期購入者が増加していくうちに、より自由度の高いECサイトの構築が必要になり、CMSを脱却して、Webサイトの構築・管理・運用を一本化させる必要があった。

拡張性を高めるためにサーバはAmazon ECSで管理し、高負荷にたえられるよう、Amazon Simple Queue Serviceを採用して可用性を高めました。
テレビで紹介された際、自社サイトに通常の40倍ほどアクセスがありましたが、AWSを採用したおかげで問題なく安定的に運用することができました。会員数は3.6倍になり注文数も急激に伸びていますがそれに対しても柔軟にスケールで来ています。


Amazon ECS
インフラ構築を自動化し、AWSのリソースを有効活用して時間とコストを最適化するコンテナサービスです。
保守運用や実行環境の管理はAWSが行うので、サーバの管理から解放され、アプリケーションの開発に集中できます。

Amazon Simple Queue Service
分散システムやサーバレスアプリケーション用に提供されたメッセージングサービスです。
リクエストや命令文を順番待ちさせて、先に来たものから順番に処理させていき、
並ばせたリクエストや命令文は基本的に削除せず、保存しておきます。
処理を分散させてシステムの負荷を下げることができます。

AWSのメリット・デメリット

AWS導入によるメリット・デメリットを説明します。

メリット

・ハードウェア・ソフトウェアの購入の必要がないので、初期費用が抑えられる。
・常に最新のセキュリティが利用できる。サービス側で更新も行ってくれるため、管理者の手間がかからない。
・メモリ、ストレージ容量などの拡張が簡単かつスピーディーに行える。
・管理者がハードウェアの管理、ソフトウェアのアップデートをする必要がない。
・サーバを設置する物理的なスペースが不要。

デメリット

・従量制の課金となるため、使い方によっては高額になりやすい
・サービスが100種類以上あるのでどのサービスを利用するか適切な選択をするのに相応の知識が必要。
問題が発生した際のトラブルシュートなどの技術も必要になる。

AWS移行の際に抑えておくべきこと

  1. 自社で構築するかアウトソースにするか検討する

    AWS有識者が社内にいたり、初期費用を抑えたい場合は自社で構築するのがおすすめです。
    構築を急いでいる場合、AWSを初めて導入する場合はアウトソースがよいです。

  2. 予算を把握する

    AWSは従量課金制であることから、利用状況によって料金が変わります。
    必要のないサービスを稼働していると意図せず高額になることもあります。
    必要なスペック・サービスを導入前に決めておきましょう。
    アウトソースの場合は、導入支援事業者によってサービス範囲・費用が異なるため、複数社に相談し、選定することをおすすめします。

  3. セキュリティに配慮する必要がある

    AWSはセキュリティの高さがメリットであるサービスですが、クラウドサービスは柔軟性や自由度が高い分、
    設定を誤ると思わぬセキュリティホールが発生します。
    AWSが掲げる「責任共有モデル」をしっかりと理解し、セキュリティ対策を怠らないようにしましょう。

AWSのサーバー移行についてはこちらの記事でまとめていますので、気になる方はぜひご覧ください。
AWSのサーバー移行について解説

まとめ

今回はECサイトをAWSに構築する方法について紹介しました。
AWSを利用するとスピーディーに運用を開始でき、スケールに応じて柔軟に対応できます。

ECサイトの作成を考えている場合は、自社で取り掛かる前に、まず専門家に相談するのがおすすめです。自社に最適な構築方法や制作フローがわかり、状況に合わせたアドバイス・提案を受けることができます。

弊社株式会社BRISKでは、ECサイト制作の無料相談を行っています。具体的な制作事例も紹介しながら、状況やご要望に合わせてご提案します。お気軽にお問い合わせください。

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