ECサイトの種類は、「販売方法」「ビジネスモデル」「構築方法」の大きく3つの軸で分類できます。本記事では、この3つの観点からECサイトの種類を詳しく解説します。それぞれの特徴や注意点を理解し、自社に最適なECサイトを検討しましょう。 [toc] ECサイトとは? ECサイト ...
ECサイトとは?種類や必要な機能・運営業務をわかりやすく解説
更新日:2023/11/28
ECサイトの需要は年々高まってきています。事業拡大のために、新たにECサイトを立ち上げようと考えている企業も少なくないでしょう。
この記事では、ECサイトの種類やECサイトに必要な機能・運営業務をわかりやすく解説します。また、ECサイト制作を成功させるポイントも紹介するので、最後までご覧ください。
目次
ECサイトとは?
ECサイトとは、Eコマース(electronic commerce)サイトの通称であり、直訳すると電子商取引となります。つまり、インターネット上で商品の売り買いをするWebサイトのことをECサイトと呼びます。
ECサイトは小売業の可能性を大きく伸ばし、これまで店頭販売がメインだった企業も、ECサイトを構築することによって遠方に住んでいる人に商品を届けられるようになりました。現在もECサイトの市場規模は大幅に拡大しています。
国内ECの市場規模
経済産業省がまとめている「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」によると、2021年の日本国内のBtoCのEC市場規模は、20.7兆円まで拡大しています。
現在は物販系分野がメインを占めていますが、デジタル分野も徐々に割合を伸ばしています。新型コロナウイルスの感染症拡大により、サービス分野(特に旅行サービス)はやや減少してしまいましたが、こちらも徐々に回復していくでしょう。今後も市場が拡大していくと想定されます。
ECサイトの種類・構築方法
ECサイトにはモール型と自社EC型の2種類が存在します。
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モール型:Amazonや楽天市場などの通販サイトの中に自社のショップを出店する方法
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自社EC型:自社で独自にECサイト構築する方法
ショッピングモールのようにさまざまなお店が揃っている中に自社のショップを出店するのがモール型です。Amazonや楽天市場などの通販サイトそのものの集客力が強いため、集客しやすいというメリットがあります。
自社EC型は、パッケージ・プラットフォームを利用したり、ゼロから構築したりする方法です。また、自社EC型は構築方法によりさらに5種類に細分化されます。この区別については以下の記事で詳しく解説しています。
ECサイトの構築方法・立ち上げ方を解説!必要な費用・期間・手順は?
ECサイトとネットショップの違い
ECサイトとネットショップは同じ意味合いで使用されますが、立場によって呼び方がわかれることがあります。
Webサイト制作者や開発者のようにサイトを作る側の人は、あらゆるサイトと区別するために「ECサイト」と呼びます。一方、実際にサイトを利用する側の人は、実店舗とインターネット通販を分けて呼ぶために「ネットショップ」や「ネット通販」といった呼び方をすることが多いです。
このように、サイトを「作る側」と「使う側」の立場によって、ECサイトとネットショップといった呼び方の違いが生まれます。
ECサイトの4大ビジネスモデル
ECサイトの主な4つのビジネスモデルの特徴や違いを解説します。
BtoB
BtoB(Business to Business)とは、企業間取引のことを指します。たとえば卸売業者が小売業者に商品を売ったり、企業に対して製品やサービスの営業を行ったりすることです。
BtoBのECサイトは、数が少なく、一般消費者への認知度も低い傾向にあります。しかし、市場規模はBtoCのECサイトよりも大きく、認知度の割に高い売上が期待できます。
BtoC
BtoC(Business to Customer)とは、企業から消費者に向けて商品やサービスを提供することを指します。たとえば家電量販店・飲食店・百貨店のように直接消費者と取引するケースがBtoCにあたります。
BtoCのECサイトは、いわゆるオンラインショップや通販サイトと呼ばれるものです。Amazonや楽天市場などが代表例でしょう。
CtoC
CtoC(Customer to Customer)とは、一般消費者が一般消費者に向けて商品やサービスを提供する取引です。CtoC市場は近年急速に拡大しており、ハンドメイド作品を売ったり、自分のスキルを売ったりするケースが含まれます。
オンラインを通してモノやスキルを売買できる「メルカリ」「ラクマ」「ココナラ」のようなプラットフォームも増えており、副業として取り入れている人も増えてきました。
DtoC
DtoC(Direct to Consumer)とは、一般消費者が仲介者を挟まず直接モノを仕入れる取引のことです。メーカーから直接購入できれば仲介手数料などが発生しないため、消費者にとっては安価に仕入れを行える点がメリットです。
メーカー側は、小売業者などを挟まないECサイトを構築することで、消費者の反応をダイレクトに感じることができ、ブランドの管理・運営も自社で把握しやすくなります。
ECサイトに必要な機能
ECサイトで顧客がスムーズに買い物を済ませられるように必要な機能を導入しましょう。主な機能と概要は以下の通りです。
機能 | 概要 |
---|---|
ショッピングカート | 顧客が商品をストックしておくために必要な機能です。システムによっては、時間経過とともにカート落ちしてしまうものや、カートに入れられる数に限りがあるものなどさまざまです。無料のシステムもありますが、目的によっては有料のシステム導入がおすすめです。 |
決済サービス | 顧客がオンラインで商品を購入する際に、決済方法を選択できるシステムです。複数の決済方法を取り入れることで購入者にとって使いやすいECサイトとなります。クレジットカード決済・代引き決済・コンビニ払いに加えて、電子決済の種類を多く用意しておくと良いです。 |
セキュリティ システム |
氏名や住所など、顧客の個人情報の漏洩を防ぐために必須のシステムです。クレジットカードの不正使用を防ぐ、3Dセキュア・セキュリティコード入力への対応も忘れないようにしましょう。 |
顧客管理 システム |
購入履歴や付与ポイントなどの顧客情報を保管するシステムです。ECサイトは、その手軽さからリピーターを獲得しやすいです。2回目以降の購入手続きをスピーディーにするためにも、過去の履歴を管理するシステムを導入するのがおすすめです。 |
受注管理 システム |
受注確認・入金確認・キャンセル処理を管理するシステムです。作業に遅れが発生すると顧客からの信頼を失いやすくなります。素早く対応できるシステムを導入しておきましょう。 |
問い合わせ フォーム |
顧客が直接問い合わせできる機能です。顧客の疑問や不満を解消するために、問い合わせフォームも導入すると良いでしょう。 |
ECサイトの運営業務
ECサイトを運営するためには、主に以下の業務が必要です。
業務 | 概要 |
---|---|
商品登録・管理 | ECサイトで販売する商品やサービスを登録します。商品画像の加工や、魅力的な紹介文の作成が必要です。 |
サイトデザイン ・カスタマイズ |
ECサイトのデザインや機能のカスタマイズを行います。顧客がスムーズに買い物を済ませられるように、使いやすいデザインや機能を実装する知識やスキルが求められます。 |
受注管理・ 入金確認 |
注文が発生した際の受注管理と入金の有無・対応を行う業務です。 |
在庫管理 | 在庫が切れないように商品を管理し、常にリアルタイムの情報を反映させておきます。期間限定のキャンペーンなどを企画する際は、多めに仕入れておくなど状況にあわせた対応をしましょう。 |
売上・ 発注管理 |
月次・週次の売上を一元化し、商品の売れ筋もわかるようにしておくと便利です。 |
アクセス解析 | ECサイトに訪れたアクセス数や購入率を管理・解析します。サイトの滞在時間や離脱率を確認できるGoogleアナリティクスなどの解析ツールを使用することがおすすめです。 |
集客 | 広告などの外部集客ツールを利用するか、サイトそのものの集客力を強化する企画の立案が必要です。SNSなどと連携させて、集客の導線を構築しておくとアクセスを伸ばしやすくなります。 |
経理 | 経費管理や帳簿作成など経理業務ができる人材も準備しておきましょう。 |
ECサイト制作を成功させるポイント
ECサイト制作を成功させるためには、次の3つのポイントを押さえましょう。使いやすく、顧客満足度の高いECサイトを制作するためには制作前の準備が大切です。
入念な市場・競合調査
1つ目のポイントは、入念な市場調査です。トレンドや顧客のニーズを正しく掴むことで、自社商品に最適なデザインのECサイトを作ることができます。
重要な競合他社にあたる企業のECサイトもしっかりとチェックしましょう。サイトをただ眺めるのではなく、コンセプトやアピールポイントを想像しながら確認することが大切です。
市場調査・競合調査を踏まえた上で、自社のターゲット・コンセプト・デザインなどを決めるようにしましょう。
戦略の社内共有
2つ目のポイントは、戦略を社内共有することです。ECサイトの制作は、専任の担当者1人で行うのではなく、多くの社員や部署を巻き込んで動かすのがおすすめです。有効的な意見をたくさん集めてより良いECサイトにするためにも、積極的に戦略の社内共有を行いましょう。
デザイン・UI・UXにこだわる
3つ目のポイントは、ECサイトのデザインやUI・UXにこだわることです。効果的に売上を伸ばすには、設定したターゲットにとって使いやすくわかりやすいサイトであるべきです。そのため、どこになにがあるか一目で理解できたり、商品選定から購入までスムーズに進めたりできるように、しっかりとした基盤のサイトを作りましょう。
また、顧客から質問や・問い合わせをもらったときにスピーディーに対応できるかも重要です。他社との差別化を図るためにも、迅速かつ丁寧な対応を心がけましょう。
まとめ
ECサイトは、インターネット上で商品の売り買いをするWebサイトのことです。ECサイトの需要やニーズは高まり、市場規模も年々拡大しています。
ECサイトを制作する場合は、入念な市場・競合調査や戦略の社内共有が非常に重要です。また、ユーザーが使いやすいデザインや機能の実装はもちろん、社内で管理・運営がしやすくなる機能も導入することが重要です。
そのためには、幅広い知識・スキルが求められるため、自社で人材が用意できない場合は専門企業に任せるのがおすすめです。弊社株式会社BRISKは、特に「競合調査」「デザイン・UI・UX設計」が強みであり、希望に沿ったECサイトの構築が可能です。
「新しいECサイトを作りたい」「今あるECサイトを良いものにリニューアルしたい」とお考えの場合は、まずは気軽にお問い合わせください。具体的な制作事例も紹介しながら、状況やご要望に合わせてご提案します。
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