BRISKに入社する前のことですが、
十数年前、新人Webデザイナーとして最初に戴いたお仕事は
百数十枚もの人物の写真をトリミングする、というものでした……。
構図も人物もバラバラで苦労した反面、とても勉強になりました。
人物の写真をトリミングをする上でただ規定のサイズに切り抜くだけでなく、
違和感のない魅力的な写真にするためにはコツがあります。
目次
はじめに
人物の写真をトリミングしていて、
『不自然だな…』『なんとなく不安…』
と感じたことはありませんか?
たとえばこちらの2枚の写真。
どちらが『トリミング失敗』だと思いますか?
私ならAと答えます。
Aの写真のトリミング失敗点は2つ。
- 頭が写真の上部にぶつかっていて、窮屈に感じる。
- 膝の関節で写真を切っているため不安を感じさせ、バランスも悪い。
知らずに失敗しないように
人物写真のトリミングの基本を学びましょう!
人物写真トリミングの『タブー』
まず、人物の写真を編集する上でやってはいけない『タブー』がいくつか存在します。
タブー①関節で切る
1つ目のタブーは、写真の人物を関節で切ること。
首、手首、足首、肘、膝、など人間の関節をぶつ切りにされた画を見せられると
人は不安を覚えます。
たとえば、首は縁起が悪いので肩まで入れたりバストアップでトリミングします。
手首で切ると、見えない指や手のひらがどうなっているのかわからない。
膝だと、この人はどうやって立っているんだろう?と思う。
そういう意識が働いて、見る人を不安にさせているのだそうです。
人物をアップでトリミングしたいときには頭の上部が少し切れていても問題ありません。
『どこを見てほしいか』を意識してトリミングを行うとより自然に配置ができます。
人物の顔をはっきり見せたくないときも、『首無し』に見えないようにしましょう。
タブー②写真の端ギリギリに被写体を配置
2つ目のタブーは、写真の上端に頭がついてしまったり、
反対に足が写真の下端についている配置。
画面に無理やり詰め込んだ、窮屈なイメージになります。
なにより見た目がダサいので上下に余白をとるか、思い切って見せたい部分を拡大してしまいましょう。
タブー③首切り、串刺し、目刺し
例えば背景に窓枠や街灯など、直線的なものがある場合は構図に注意です。
そもそもこんな写真があった場合は……
トリミングどうこう言う前に、写真を撮りなおして下さい。
また、デザインで注意してほしいのがこれ。
気付かずやってしまいがちなのが『目刺し』。
よく先輩に『これ目に入りそうで怖いから移動させてね』と注意されました。
樹木の枝などが伸びて目に刺さりそうな位置にある場合も同じです。
そして素人がよくやりがちなのが肩が見えない『生首』トリミング。
プロフィール写真などでは顔を印象的に切り取ろうとするあまり、生首に見えないよう注意が必要です。
魅力的な人物写真を作るには?
忘れてはいけないのは、トリミング時の構図の重要性。
静止画に奥行きや動きをもたせ、ストーリーを感じさせる
被写体が一人の場合、中央に配置すればバランスは良くなりますが、
もっと魅力的な写真に見せるにはコツがあります。
上の写真では、あえて中央からずらして人物を配置することで奥行きと動きが生まれ、
1枚の静止画にもストーリーが見えてきます。
いらないものは削る
トリミングの際、いらないものは削りましょう。
1枚の写真で何を伝えたいのかを意識して取捨選択することが大切です。
構図に迷ったら
構図に迷ったら3分割または4分割構図の考え方を参考にしましょう。
分割した交点に人物や重要な部分を配置するとバランスのとれた構図になります。
Webデザインで大切な『視線』を意識する
Webサイトでは文字情報の補助の役割で写真画像を配置していますが、
人物の写真には『視線』があり、コンテンツの内側に向かうように配置することで
ページ下部にある購入ボタンやお問い合わせボタンまで誘導することができます。
この視線による誘導が、Webサイトでは人物写真の重要な役割の一つと言えます。
まとめ
ここであげたタブーや構図は写真を撮影するときの基本でもあります。
もはや現代のWebサイトには不可欠となった人物の写真ですが、
トリミングの仕方によっては写真の魅力を激減させてしまうこともあります。
意識して人物の写真をトリミングすることで、
魅力的なデザインになるよう心がけてほしいですね。