ホームページの運用保守は、企業の信頼性を保ち、集客を維持するために欠かせない作業です。運用保守には、サーバーやドメインの管理、セキュリティ対策、定期的なコンテンツ更新など、さまざまなメンテナンスが含まれます。これらの作業を適切に行うことで、サイトの安定稼働や検索エンジンでの評価を維持し、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
そこで今回は、運用保守の具体的な作業内容や必要な費用、外注時の注意点について詳しく解説します。
目次
ホームページの運用保守とは?
ホームページの運用保守とは、公開されたWebサイトが常に正常に機能し、ユーザーにとって使いやすい状態を維持するための業務を指します。具体的には、サーバーやドメインの管理、SSL証明書の更新、CMSのアップデート、定期的なコンテンツ更新、そしてセキュリティ対策などが含まれます。
これらの作業は、ホームページが最新の状態で安全に運用され続けることを目的としており、ユーザーの信頼を維持し、検索エンジンの評価を保つためにも不可欠です。また、保守作業を怠りサイトに不具合が生じると、企業のブランディングや信頼性に悪影響を及ぼす可能性があります。
ホームページの運用保守を行わなければいけない理由
ホームページの運用保守を行わない場合、さまざまなリスクが発生します。検索エンジンでの評価の低下や企業の信頼性への影響、さらにはセキュリティ問題にまで発展することもあるでしょう。ここでは、運用保守が必要な理由について詳しく見ていきます。
セキュリティ障害が発生する可能性がある
ホームページの運用保守を怠ると、セキュリティ障害が発生するリスクが高まります。特に、サイバー攻撃や不正アクセスの脅威は年々増加傾向にあり、これに対応するためのセキュリティ対策を定期的に実施しなければ、ホームページが攻撃対象となる可能性が高くなるでしょう。
例えば、SSL証明書の更新を怠ると、ウェブブラウザで「このサイトは安全ではありません」というエラー表示がされ、ユーザーが不安を感じて離脱する可能性が高まります。また、通信の暗号化がされず、ユーザーの個人情報が流出するリスクも発生するでしょう。
さらに、CMSやプラグインのアップデートを行わないと、脆弱性を突かれる恐れもあります。サイバー攻撃や不正アクセスに合うと、企業の信頼性が失われ、訪問者の離脱や法的トラブルに発展することも考えられます。そのため、ホームページの定期的な保守はセキュリティの観点からも非常に重要です。
検索結果で上位化されなくなる
ホームページの運用保守を怠ると、検索結果での上位表示が難しくなる可能性もあります。Googleや他の検索エンジンは、ユーザーにとって価値のある情報を提供するサイトを優先して検索結果の上位に表示しますが、その評価基準の1つに「サイトの更新頻度」があると言われています。
更新が長期間にわたり行われていないサイトは、コンテンツが古いと判断され、検索順位が低下するリスクが高まります。また、リンク切れやセキュリティの不備が発生すると、訪問者がサイトを正常に利用できなくなり、サイトへの信頼性が下がるだけでなく離脱率が上昇する可能性もあります。離脱率の上昇も、検索エンジンからのマイナス評価につながる可能性があるため、定期的な更新やメンテナンスは不可欠です。
企業のブランディングに悪影響を及ぼす可能性がある
ホームページの運用保守を怠ると、企業のブランディングに悪影響を与える可能性もあります。特に、更新がされていない古いデザインや情報が残っているサイトは、訪問者に対して信頼感を損ねる要因となります。
例えば、最新の製品情報やニュースが掲載されていない場合、企業が時代に取り残されている印象を与えかねません。また、デザインやサイトの仕様が古く、サイト内で求めている情報にたどり着けなかったり、ナビゲーションが複雑で使いにくいと感じたりすると、ユーザーはすぐに別のサイトに移動してしまうことも考えられます。
結果として、ブランドの評価や信頼性が低下し、顧客獲得のチャンスを逃してしまうリスクが高まるでしょう。
ホームページの運用保守の基本的な内容
ホームページの運用保守には、さまざまな作業が含まれます。それぞれがサイトの安定稼働や信頼性向上に欠かせない重要な作業です。ここでは、代表的な保守作業の内容について詳しく解説します。
ドメインとサーバーの管理
ドメインとサーバーの管理は、ホームページがインターネット上に常に存在し、ユーザーがアクセスできる状態を維持するために重要な作業です。ドメインはWebサイトの「住所」、サーバーはWebサイトが動作する「土地」にあたります。
どちらも契約更新を怠るとホームページが表示されなくなり、メールの送受信にも影響が出ることがあります。また、サーバーのメンテナンスや監視を常に行うことで、Webサイトの表示速度が遅くなる、ページが正しく表示されない、突然アクセスできなくなるといったトラブルを防げるようになります。その結果、ユーザーが快適にホームページを利用できる環境を維持することが可能になるでしょう。
SSL証明書とセキュリティ更新
SSL証明書の管理とセキュリティ更新も、ホームページの運用保守において非常に重要な業務です。SSL証明書は、ウェブサイトとユーザーの間でやりとりされるデータを暗号化し、外部からの抜き取りや改ざんを防ぐために必要なものです。もしSSL証明書が更新されていない場合、ユーザーがサイトにアクセスした際に「このサイトは安全ではありません」という警告が表示され、信頼性が低下する恐れがあります。
また、セキュリティ更新も行わないと、ハッキングなどのリスクが高まり、企業にとって重大な損失を招く可能性があります。そのため、定期的にSSL証明書を更新し、セキュリティパッチを適用することも不可欠です。
CMSのアップデート
CMSのアップデートは、Webサイトを安全かつ効率的に運用するために非常に重要です。CMSのアップデートには、セキュリティ上の脆弱性の修正や新機能の追加が含まれ、対応を怠ると不正アクセスやデータ漏洩のリスクが高まる可能性があります。
特にWordPressなど人気のあるCMSでは脆弱性が狙われやすいため、定期的な更新が必要です。また、古いバージョンを使用していると、最新のプラグインやブラウザとの互換性が失われ、サイトの表示や動作に不具合が発生することもあります。そのため、CMSのアップデートも、Webサイトの安定稼働とセキュリティ対策の一環として欠かせない作業といえます。
定期的なコンテンツ更新とSEO対策
定期的なコンテンツ更新とSEO対策も、ホームページの運用保守において欠かせない作業の1つです。検索エンジンから高く評価されるためには、コンテンツの更新を定期的に行い、常に最新情報を提供する必要があります。
その結果、ユーザーにとって有益な情報提供を維持でき、訪問者の満足度を高めることができるでしょう。
また、SEO対策を継続的に行うことで、検索結果での順位向上や上位化の維持ができ、集客力の向上にもつながります。更新を怠ると、サイトの評価が低くなり、ユーザー離れの原因になる可能性があるため、計画的に更新することが重要です。
効果的にホームページの運用保守を行うためのポイント
効果的なホームページの運用保守を行うためには、具体的な作業内容や体制を整えることが重要です。ここでは、運用保守を効率的に進めるために押さえておきたいポイントを解説します。
保守の範囲を決めておく
ホームページの運用保守をスムーズに行うためには、まず保守の範囲を明確にすることが重要です。例えば、サーバーやドメインの管理、SSL証明書の更新、セキュリティ対策などの技術的な項目を優先するのか、あるいは定期的なコンテンツの更新やSEO対策まで含めるかをしっかり検討しましょう。
範囲が不明確だと、予想外のトラブルが発生した際に対応が遅れたり、余計なコストが発生したりするリスクが高まります。自社で対応すべき作業と、外部委託すべき作業を事前に整理し、業務の負担を減らすことで、効率的な運用が可能になるでしょう。
保守の運用体制を整えておく
ホームページの運用保守を成功させるには、事前に運用体制を整えることも不可欠です。まず、保守業務の担当者やチームを明確にし、サーバー管理やセキュリティ更新、コンテンツの更新など、各作業に対して責任者を割り当てます。これにより、各作業が確実に進行し、対応が遅れるリスクを減らすことができます。
保守のスケジュールを確立しておく
ホームページの運用保守を効果的に行うためには、事前にスケジュールを明確にしておくことも重要です。例えば、セキュリティチェックやバックアップの実施を週に一回行い、CMSのアップデートを定期的に確認するなど、具体的なタイムラインを設定することで、作業の抜け漏れを防げます。
スケジュールに基づいて保守作業を進めることで、ホームページの安定稼働を維持し、ユーザー体験を損なうことなく運用することが可能となります。
保守にかけられる予算を決めておく
ホームページの運用保守を実施する際には、適切な予算設定も必要不可欠です。保守業務には、サーバー管理、ドメインの更新、セキュリティ対策、そしてコンテンツの作成や修正など、多岐にわたる作業が含まれます。どの作業を自社で行い、どの作業を外部に委託するかを明確にして、必要な予算を算出しておきましょう。
また、緊急対応やトラブルシューティングが発生する可能性も考慮し、予算に余裕を持たせることも大切です。
具体的な費用相場については、次項「ホームページの運用保守管理にかかる費用の相場」で紹介していますので、参考にしてみてください。
定期的なチェックを行う
ホームページの運用において、定期的なチェックはサイトの安定稼働を確保し、セキュリティやパフォーマンスを最適化するための重要な作業です。具体的には、サーバーの稼働状況やSSL証明書の有効期限、セキュリティ脆弱性の確認が含まれます。
加えて、リンク切れやページの表示崩れ、コンテンツの鮮度も確認し、必要に応じて修正を行いましょう。定期的なチェックを継続的に実施することで、ユーザーエクスペリエンスの向上や検索エンジンでの評価向上につながり、トラブル発生のリスクも軽減されます。
外部への委託も検討する
ホームページの運用保守を効率的に進めるためには、外部委託を検討することも有効です。特に、社内に十分な技術力がない場合や、他の業務で手が回らない場合、専門業者に依頼することで安定した運用が維持できます。
外部に委託する際は、サーバー管理やセキュリティ対策、定期的なコンテンツ更新など、具体的にどの作業を依頼するのかを明確にすることが重要です。また、自社のニーズに合った業者を選ぶために費用やサポート内容をしっかり比較し、信頼できるパートナーを見つけましょう。
ホームページの運用保守管理にかかる費用の相場
ホームページの運用保守にかかる費用は、サイトの規模や内容によって異なります。ここでは、一般的な費用の相場と、外注する際の費用感をご紹介し、予算に合った運用保守方法を見つけるためのポイントを解説します。
一般的な費用相場
ホームページの運用保守費用は、サイトの規模や内容によって異なります。一般的には、月額5,000~50,000円が目安です。この費用には、サーバーやドメインの管理、セキュリティ対策、SSL証明書の更新、定期的なバックアップなどの基本的な作業が含まれます。
内訳ごとの費用相場は以下のとおりです。
保守作業内容 | 費用相場 |
---|---|
サーバー管理 | 1,000~10,000円/月 |
ドメイン管理 | 1,000~8,000円/年(ドメインにより異なる) |
SSL証明書の更新 | ドメイン認証:0~10,000円/年 企業認証:30,000~50,000円/年 |
セキュリティ対策 | 1,000~20,000円/月 |
コンテンツ更新 | 5,000~100,000円/1記事 |
大規模なサイトやECサイトでは、特にセキュリティ強化やカスタマイズが必要になることが多く、その分費用が増加するでしょう。
外注(代行)にかかる費用相場
ホームページの運用保守を外部に依頼する際の費用も、サイトの規模や保守内容によって大きく異なります。小規模なサイトでは、月額5,000〜20,000円程度が一般的で、サーバー管理、定期的なセキュリティチェック、コンテンツの更新などが含まれます。一方、大規模なサイトやECサイトでは、セキュリティ強化やカスタマイズが必要になるため、月額50,000円以上の費用がかかることもあります。
前述しましたが、外注する場合は、まず保守作業の範囲を明確にしましょう。そのうえで、複数の業者から見積もりをとり、費用やサポート内容を比較検討することで、自社に合ったパートナーを見つけやすくなります。
ホームページの運用保守を外部委託する際の注意点
ホームページの運用保守を外部委託する際は、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここでは、外部委託をスムーズに進めるために知っておきたいポイントを詳しく解説します。
サーバーとドメインは自社で管理する
サーバーとドメインはホームページの運用において非常に重要であり、外部委託によるトラブルのリスクを避けるため、できる限り自社で管理することがおすすめです。特に、サーバーやドメインの管理を外部に完全に委託してしまうと、トラブルが発生した際に迅速な対応が難しくなる場合があります。
例えば、契約更新の遅れやトラブルが原因でホームページの表示が停止したり、メールシステムが使えなくなったりするトラブルが発生する可能性があります。その結果、ユーザーに不便を与え、企業の信頼性にも悪影響を及ぼす可能性があるため、サーバーやドメインの管理は自社で行い、更新のタイミングを管理してトラブルに備えたバックアップ体制を整えることが重要です。
外部へ委託する際は複数の会社から見積もりをとる
ホームページの運用保守を外部に委託する際は、複数の会社から見積もりをとることも非常に重要です。各業者によって提供されるサービス内容やサポート体制、費用が異なるため、価格だけではなくサービス内容やオプションもしっかり確認しましょう。
例えば、セキュリティ更新や定期的なバックアップなどの基本作業がどこまで含まれているか、コンテンツ更新や緊急対応がオプションとして追加できるかも確認することが大切です。相見積もりをとることで、無駄なコストを抑えながら自社のニーズに合った業者を選ぶことができ、結果として、安定したホームページ運用が期待できるでしょう。
自社での作業範囲と外注する作業範囲を明確に分ける
自社と外注の作業範囲を明確に分けることは、ホームページの運用保守を円滑に進めるために重要です。例えば、定期的なコンテンツ更新は自社で対応し、セキュリティ更新やCMSのバージョンアップ、SEO対策など、専門知識が必要な作業は外部に委託するといった役割分担が効果的です。
作業範囲を明確に分けることで社内リソースを効率的に活用できるだけでなく、セキュリティリスクやシステムトラブルを軽減し、トラブルが発生した場合でも迅速な対応が可能になります。
必ずバックアップをとっておく
ホームページの運用保守を外注する際は、定期的なバックアップも不可欠です。バックアップは、週に一度などの頻度で実施し、万が一サーバー障害やハッキング、外注先の作業ミスなどによってデータが失われても、迅速に復旧できる体制を整えておきましょう。
特に、コンテンツ更新やシステムのアップデート前には必ずデータを保存しておくことで、トラブルが発生しても以前の状態に戻すことが可能です。また、自動バックアップ機能を活用すれば、手間をかけずに定期的にデータの保存が行えます。
さらに、バックアップをとるだけで安心せず、最低でも月に一度はバックアップが正常に作動しているかを確認することも重要です。
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ホームページ運用保守の重要性を理解し、効率的に進めよう
ホームページの運用保守は、サイトの安定稼働やセキュリティ対策、検索エンジンでの評価維持に欠かせない重要な作業です。保守を怠ると、セキュリティの脆弱性や検索順位の低下、企業ブランディングへの悪影響が生じる可能性があります。
効果的に保守を進めるためには、作業範囲の明確化やスケジュールの確立、予算設定が重要です。自社に必要な保守体制を整え、必要に応じて外部の専門家を活用することで、リスクを最小限に抑えましょう。