
「デザインしたはずなのに、なぜか伝わらない」「要素を置いてみたけど、なんだか読みづらい・見にくい」
そんな経験はありませんか?
特に、バナーやLP、Webページを作ったときに、「何を伝えたいのか分からない」「情報はそろっているのに、なぜか反応が悪い」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか。
一生懸命考えて作ったのに、修正が何度も入り、「もう何を直せばいいのか分からない」と感じてしまうこともありますよね。
実はその原因、センスやスキル不足ではないことがほとんどです。
多くの場合、どう表現するかの前に、情報をどう整理しているかが影響しています。
デザインは、ただ見た目を整えたり、要素を配置したりする作業ではありません。
何を一番伝えたいのかを整理し、伝える順番を決めることで、はじめて「伝わるデザイン」になります。
このブログでは、デザインを始める前に考えておきたい情報整理のポイントを、
初心者デザイナーさん向けに、できるだけわかりやすく紹介していきます。
デザインしているのに「伝わらない」のはなぜ?

一生懸命デザインしたのに、 「なんだか分かりにくい」「何を伝えたいのか分からない」 と言われたことはありませんか。
この原因は、デザインの技術不足ではなく、情報をどう整理しているかにあることがほとんどです。
デザインは、色やレイアウトを考える作業だと思われがちですが、
実際には「見る人に、どんな順番で、何を理解してほしいか」を考える行為でもあります。
この章では、デザインしているのに伝わらなくなる理由を、初心者にもわかる視点で解説します。
きれいに作っても、伝わるとは限らない
フォントや色をそろえ、バランスよく配置すれば、見た目は整います。
しかし、それだけでは「伝わるデザイン」になるとは限りません。
見る人は、デザインをじっくり分析するのではなく、一瞬で「何の情報か」を判断しています。
どこが一番大事なのかわからないと、「なんとなく見づらい」「よくわからない」という印象になってしまいます。
大切なのは、きれいに作ることよりも、「最初に何を見せたいか」を明確にすることです。
なぜなら、見る人は「きれいかどうか」よりも先に、「ここには何が書いてあるのか」を知りたいからです。
見た目が整っていても、一番伝えたいことが目立っていないと、見る人はすぐに迷ってしまいます。

たとえば、タイトル・説明文・注意書き・ボタンがすべて同じ文字サイズで並んでいるデザインを想像してみてください。
見た目は整っていても、「結局何を一番伝えたいのか」が分かりにくくなってしまいます。
逆に、一番伝えたいコピーだけが最初に目に入り、その理由や補足があとから自然に読めるデザインであれば、見る人は迷わず内容を理解できます。
情報が多いと、見る人は迷ってしまう

デザインに情報を詰め込みすぎると、見る人は 「どこから見ればいいのか」「何を一番伝えたいのか」が分からなくなってしまいます。
文字や要素が多いほど視線はあちこちに散り、結果として、肝心なメッセージが伝わりにくくなります。
デザインでは、情報を足すことよりも、「何を削り、何を目立たせるか」を考えることが重要なのです。
初心者のうちは、「どれも大事に思えて削れない」という状態になりがちです。
伝え漏れが怖くて、あれもこれもと情報を足してしまい、結果として、見る人にとっては何も印象に残らないデザインになってしまいます。
情報を整理するとは、手を抜くことではありません。
見る人が理解しやすくなるように、情報の役割を整理することなのです。
見る人が知りたいのは「一番大事なこと」
デザインを見る人が本当に知りたいのは、たくさんの情報ではなく「一番大事なこと」です。
そのデザインで何を伝えたいのか、何を理解してほしいのかが、ひと目で分かるかどうかが重要になります。
見る人は、最初から細かい説明をじっくり読むわけではありません。
まずは「自分に関係があるか」「続きを見たいか」を、瞬間的に判断しています。
だからこそ、デザインでは最初に伝えるべき核となるメッセージをはっきり示す必要があります。
一番大事なことが明確になっていれば、ほかの情報は補足として自然に理解されます。
デザインとは、情報を並べることではなく、見る人が迷わず理解できる順番をつくることなのです。
情報整理ができるデザイナーって何をしている人?

情報整理ができるデザイナーとは、ただ見た目を整える人ではありません。
伝えたい情報をそのまま並べるのではなく、「何を一番伝えるべきか」「どこまで伝える必要があるか」を考え、情報の取捨選択を行う人です。
依頼された内容をすべてデザインに落とし込むのではなく、見る人の立場に立って情報を整理し、理解しやすい順番に組み立てます。
そのために、目的やターゲットを確認し、情報の役割を一つひとつ分解して考えています。
情報整理ができるデザイナーは、デザインを作る前に考える時間を大切にします。
「この情報は本当に必要か」「今ここで伝えるべきか」を判断しながら、迷わず伝わる構造をつくることが仕事なのです。
作る前に「一番伝えたいこと」を決めている

情報整理ができるデザイナーは、デザインを作り始める前に「一番伝えたいこと」を必ず決めています。
配色やレイアウトを考える前に、このデザインで何を伝え、見た人にどう感じてほしいのかを明確にします。
一番伝えたいことが決まっていないまま作り始めると、途中で情報が増え、結果として伝えたいポイントがぼやけてしまいます。
逆に、最初に軸となるメッセージを決めておけば、迷ったときも「それは一番大事なことにつながっているか?」という基準で判断できます。
デザイン前のこの一手間が、情報を整理し、見る人にとって分かりやすいデザインにつながっていくのです。
情報に強弱をつけて考えている
一番伝えたいことが決まったら、次に行うのが情報の整理です。
すべての情報を同じ大きさ・同じ扱いで並べると、見る人はどこを見ればいいのか迷ってしまいます。
そこで、
一番大事な情報
補足として伝えたい情報
あとから読んでもいい情報
を分けて考えています。
そのうえで、文字の大きさや配置、余白を使いながら、自然に伝わる順番を作っています。
見た目より、伝わるかどうかを優先している
情報整理ができるデザイナーは、 「おしゃれかどうか」だけで判断しません。
それよりも、
初めて見た人が迷わないか
何をすればいいかが直感的に分かるか
といった優先順位を整理します。
では、具体例を見てみましょう。
右のバナーは、おいしそうなイチゴを大きく配置した、インパクトのあるおしゃれなデザインです。
しかしパッと見たとき、イベント名が英字表記のため、
左のバナーのようにひらがな・カタカナで構成されたイベント名と比べると、やや読み取りづらくなっています。
また、「期間限定」という重要な情報は文字が小さく、
さらにイベント名と似た雰囲気で配置されているため、他の情報に埋もれてしまいがちです。

おしゃれさももちろん大切ですが、
「何を伝えたいのか」をきちんと伝えられているかのほうが、デザインとしてはより重要です。
並べる前にやるべき3つのこと

デザインがうまくいかないとき、
「レイアウトが悪いのかも」「配置のセンスがないのかも」と感じることは多いですが、
実はその原因は並べ方そのものではなく、並べる前の準備にあることが少なくありません。
頭の中が整理されていないまま並べ始めると、
どこを目立たせればいいのか分からず、結果として「きれいだけど伝わらない」デザインになってしまいます。
ここでは、デザインを始める前にやっておきたい、
とてもシンプルだけど効果の大きい3つのポイントを紹介します。
① 情報をいったん全部出す

まずは、使う予定の情報をいったんすべて書き出すことから始めます。
たとえば、
見出し
説明文
ボタン文言
注意書き
など、デザインに入れそうな要素は細かいものも含めて洗い出します。
この段階では、「多すぎるかどうか」「本当に使うかどうか」は気にしなくて大丈夫です。
大切なのは、頭の中だけで考えないこと。
情報を見える形にすることで、自分がどれだけ多くのことを詰め込もうとしていたのか、
逆に足りていない情報は何かが、客観的に見えてくるようになります。
② なくてもいい情報を削る

次に、書き出した情報を見ながら、「これは本当に必要かな?」と一つひとつ考えていきます。
具体的には、
なくても内容が伝わるもの
他の情報と内容がかぶっているもの
は、思い切って削ってしまいましょう。
情報は、多ければ多いほど親切に見えますが、実際には情報が多いほど、見る人は迷ってしまいます。
不要な情報を減らすことで、「一番伝えたいこと」が自然と浮かび上がり、デザイン全体の軸がはっきりしてきます。
③ 読んでほしい順番を決める

最後に、残った情報をどの順番で読んでほしいかを考えます。
たとえば、
- 1.最初に見てほしい情報
- 2.次に知ってほしい理由や説明
- 3.最後に行動につながる情報
といった流れです。
この「読む順番」が決まってから、初めてレイアウトやビジュアルを考えるようにします。
先に並べてしまうと迷いが増えますが、順番が決まっていれば、配置の判断もスムーズになります。
並べる前にこの3つを意識するだけで、デザイン中の「これでいいのかな?」という迷いは、ぐっと減っていきます。
情報整理ができるとデザインはどう変わるのか
情報整理ができるようになると、 見た目だけでなく、 デザインの考え方や仕事の進め方そのものも変わってきます。

パッと見て内容が伝わる
一番大きな変化は、デザインを見た瞬間に「何のデザインか」が伝わるようになることです。
一番伝えたい情報が自然と目に入り、そのあとに補足情報が続く構成になるため、見る人は迷わず内容を理解できます。
結果として、「分かりにくい」「何を伝えたいのか分からない」と言われることが、確実に減っていきます。
デザインの理由を説明しやすくなる
情報整理ができていると、 なぜこの配置なのか、なぜここを大きくしているのか、といった質問にも、落ち着いて答えられるようになります。
「なんとなく」ではなく、「伝えたい順番に合わせて配置しています」と説明できるため、
クライアントや上司にも納得してもらいやすくなります。
修正や手戻りが減る
情報が整理されたデザインは、途中で方向性がぶれにくくなります。
そのため、
大きな修正が何度も入る
最初から作り直しになる
といった手戻りが減っていきます。
結果として、デザインそのものに集中できる時間が増え、仕事全体もスムーズに進むようになります。

まとめ
デザインは、 ただ情報をきれいに並べる作業ではありません。
大切なのは、何を一番伝えたいのかを整理して、順番を決めることです。
情報整理ができるようになると、見る人は迷わず内容を理解でき、デザインの意図も説明しやすくなります。
その結果、修正や手戻りも減り、仕事もスムーズに進むようになります。
難しいことをする必要はありません。
並べる前に、「全部出す」「減らす」「順番を決める」。
このひと手間を意識するだけで、デザインの伝わり方は大きく変わります。
次にデザインを作るときは、「どう並べるか」ではなく、「何を、どの順で伝えるか」から考えてみてください。
