Adobe Creative Cloud(以下 Adobe CC)に契約しているユーザーが利用可能なサービスに、Adobe Fonts(旧名 typekit)というものがあります。
追加料金なく、全フォントを商用・個人用問わず利用可能となっております。
Futuraなど有名な欧文フォントだけでなく、モリサワやフォントワークスの日本語フォント等も多く提供されており、
常用漢字・各種フォントウェイトに対応しているものが多く、デザイン面で重宝します。
筑紫A丸ゴシックにはよくお世話になっています!
そしてなんと、これらのフォントはWebフォントとして使用することが出来ます。
使用にあたり、埋め込むWebサイトのPV数制限もないため非常に有用なサービスに思えます。
ですが、Web制作会社としては、「自分のアカウントで取得したWebフォントをクライアントのサイトに利用してよいのか?」が気になるところ。
ということで、そちらのライセンスについて調べてみました。
目次
クライアントのWebサイトに、制作者側のAdobe CCアカウントで取得したWebフォントは使える?
公式の回答にある通り、2019年12月31日までは可能でしたが、現在は規約の範囲外となってしまうようです。
Webフォントを個人または企業のwebサイトで使用することはできますか?
はい。Webサイトがブラウザー内で(デスクトップまたはモバイルデバイスで)表示される場合、webフォントライセンスによって認められます。
また、webフォントライセンスに従い、Adobeが提供する埋め込みコードによってフォントをwebサイトに追加しなければなりません。
Webフォントを顧客のwebサイトに使用することはできますか?
利用条件では、2019年12月31日以降の再販は許可されていません。それ以降にフォントライセンスやwebフォントホスティングが中断されないようにするには、クライアントのwebサイトは、独自のCreative CloudサブスクリプションからAdobe Fontsを読み込む必要があります。
Adobe CCの契約更新をしなくても、Webフォントを使用し続けられる?
埋め込みタグを発行したアカウントが、Adobe CCを継続契約しなかった場合や途中でサービスの利用を停止してしまった場合は、そのサイトで使用していたWebフォントが見られなくなってしまいます。
ある日クライアントのサイトでWebフォントが読み込まれなくなりサイトが崩れたとの連絡が来たが、担当デザイナーは既に離職している…なんてトラブルがあると周りの人も困りますよね。
制作会社の担当者が離職後にAdobe CCを継続契約をしていなければ突然Webフォントが見られなくなる為、やはり制作会社側のアカウントを使うべきではないでしょう。
結論と対応策
結論として、Webフォントとして使用する想定なら、制作者側のアカウントで取得するのはダメです。
利用したい場合は、以下のどちらかで対応する必要があります。
予めクライアントとすり合わせておくようにしましょう。
対応策1画像化して使う
更新性がなく、画像で書き出ししても問題ない部分であれば、画像にして設置しましょう。
対応策2クライアントにAdobe CCのアカウントを取得してもらう
Webフォントとして使いたい場合は、クライアントにAdobe CCのアカウントを取得してもらい、そのアカウントでWebフォントの埋め込みタグを発行してもらいましょう。
1Adobe CCのアカウント取得
Adobe CCは無料で無償メンバーシップとして登録・利用が可能です。
一部のフォントは無償メンバーシップでも利用可能ですが数がかなり限られている為、基本的にAdobe Fontsを使いたい場合はいずれかの有料のプランを購入しなくてはなりません。
おすすめは断然、フォトプラン 980円/月(税別)
写真の加工や画像の作成等に使えるLightroom、Lightroom Classic、Photoshopの3点セットです。
20GB(980円/月プランの場合)または1TB(1,980円/月のプランの場合)のクラウドストレージも利用できるため、撮影画像の管理・編集、加工がどちらも出来てお得です。
ネット上にデータを保管出来るサービスです。DropboxやGoogleDriveなどが有名です。
安さであれば、InCopy 580円/月(税別)
最安を取るならばInCopyの単体プランになります。
こちらは主に文書作成・編集が行えるソフトになっています。
価格はお求めやすいですが、文書作成が主なソフトな為、Photoshopに比べ汎用性は低いかと思います。
こちらのプランも上記プラン同様にクラウドストレージが利用できます!
2Webフォントの埋め込みタグ発行の仕方
使用するフォントが決まったらフォントの埋め込みタグを発行しましょう。
詳細な手順は以下のリンクをご覧ください。
【おまけ】Adobe Fonts以外の有料Webフォントサービス
有償のプランであれば、すべてのフォントが利用できるためクライアント側に契約して頂くか、既にAdobe CCに契約しているというケースがあれば使用を検討してみるのも良いでしょう。
しかし、Webフォントを導入するという事であれば、絶対Adobe Fontsでなくてはいけない…という場面は少ないと思います。
下記のWebフォントサービスはそれぞれフォント使用可能数、ドメイン数やPV数の制限はあるものの高クオリティなフォントが揃っております。
サイトのPV数などと相談しながら検討してみてはいかがでしょうか。