みなさんは、会員制ECサイトという言葉を聞いたことはありますか?
今回の記事では会員制ECサイトがどんなものなのか、メリット・デメリット、構築方法を紹介したいと思います。
会員制ECサイトを構築しようと考えている方は参考にしてみてください。
目次
会員制のECサイトとは
自社サイトの会員のみにサービスを提供するショッピングサイトのことです。
会員制ECサイトにも複数のタイプがあり、オープンサイトタイプ、セミクローズドサイトタイプ、クローズドサイトタイプと分けることができます。
オープンサイトタイプ
非会員でも商品情報を見ることができ、商品購入の際に会員登録が必要になります。
セミクローズドサイトタイプ
サイト自体は誰でも閲覧できますが、非会員が閲覧できる内容を一部のみに限定しています。
クローズドサイトタイプ
ログインしないとサイト全体が閲覧できないサイトのことを指します。
以下のようなケースで会員制ECサイトが使われます。
・ファンクラブ会員だけに情報の提供や販売を行いたい場合。
・特定の取引先にのみ特別価格で販売したい場合。
など
このようにユーザの利用状況に応じて表示できる商品や商品価格を設定できるのが特徴です。
会員制ECサイトに必要な機能
会員登録機能
ログインさせるためにまず会員登録が必要です。ユーザ名、住所などECサイトで買い物をするための情報を登録します。会員のパスワードは暗号化してデータを保持することが一般的です。
ログイン認証機能
アクセスしたユーザが本人であるかどうかを確認するための機能です。
会員登録時に設定したメールアドレス(ユーザID)とパスワードを入力してログインする方法が一般的です。GoogleやLINEアカウントを使ってログインできるソーシャルログインを使う方法もあります。
ユーザがパスワードを忘れてしまった場合のことを考えて、パスワードリマインダー機能を実装しておくことも大切です。事前に登録した質問や電話番号からパスワードの再設定を行うことができます。会員グループやランクによる価格設定・商品表示設定
買い物の回数や金額に応じてランクを付け、そのランクごとに商品表示や価格を設定する機能です。優良顧客に育て、リピーターを育成していくための機能ともいえます。
ECシステムによってできない場合もあるので、事前に機能が必要か導入前に検討する必要があります。会員管理機能
会員登録されているユーザ情報の閲覧・変更・ダウンロードなど、会員情報を管理するための機能です。参照することが多い履歴データは以下の通りです。
・購入履歴
・お問い合わせ履歴
・メール配信履歴
などレビュー・評価の投稿機能
会員が購入した商品について、レビューや評価を投稿できるようにするものです。実際に購入したユーザのレビューや評価はその商品の購入を迷っているユーザが購入を決めるための大きな要素になります。商品ページの滞在時間も長くなりCVR(Webサイト訪問者が商品購入などそのwebサイトの最終成果に至った件数の割合)も上がるのでSEO的にもよいです。
セキュリティ機能
個人情報が漏洩した場合、ユーザだけでなく自社も大きな被害を受け、大きく信頼を落とします。個人情報を暗号化するSSL対応などしっかりセキュリティ機能を実装しておくことが大事です。
ECサイトのセキュリティ対策に関する記事はこちらにあるので参考にしてみてください。
会員制のメリット・デメリット
会員制ECサイトにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
メリット
顧客との関係性を強化できる
表示させるページの内容を、全ユーザに向けたものでなく、顧客に合わせた内容にすれば密な関係を築けやすくなります。その結果、追加購入や持続購入に繋がりやすくなり、LTV(1人の顧客が生涯で自社にもたらす利
益)が向上します。LTVが向上していけば、新規顧客が増えなくても、業績が急に悪化することはなく安定した経営が行えます。会員限定のコンテンツを提供できる
会員になった人だけが閲覧できる限定的な情報や動画などのコンテンツは価値が高まり、継続的にアクセスしてもらえる要因にもなります。継続的に登録している会員が増えれば、固定顧客の増加を見込むことも可能です。
ブランディングに有効
利用者を会員限定にすることで、ユーザは優越感を得られます。ユーザは、自社商品を好意的に捉えてくれるようになり、ブランディングに繋がります。
また、「会員のみが利用できる情報や商品がある」という付加価値をつけて宣伝をすることもできます。
デメリット
クローズドサイトタイプの会員制ECサイトは下記のような特別な目的がなければデメリットが多いです。
・一般に知られたくない価格設定をしたい
・社内限定商品を販売したい
・会員限定コンテンツの販売をしたい
など
会員限定サイトの設定はnoindexなため検索エンジンンに表示されにくく、一般的なサイトより集客に手間がかかります。会員限定だと敷居が高く、商機を逃すことにもあります。
特別な意味がなければ一部の商品に限定して会員制にするなどした方がよいかもしれません。他のデメリットもあります。
運用管理の手間がかかる
会員サイトに登録したユーザには、継続的にサイトを利用してくれるよう、メリットを定期的に提供していく必要があります。登録していない一般ユーザとの差別化を強調しましょう。
制作に専門知識を要する
複雑な機能やシステム要件、運用方法をとることもあり、通常のWebサイト制作よりも専門的な知識が必要になるケースが多いです。
会員制ECサイトの構築方法
ASPサービスを利用する
ASPはインターネットを利用してwebサイトを作るシステムで、無料版と有料版があり、契約形態も各サービスによって異なります。
また、提供しているサービスによって、利用できる機能にも違いがあり、選択する際に会員制ECサイトにほしい機能の有無を判断材料にする必要があります。
簡単に構築できるだけでなく、セキュリティ対策や、保守をサービス会社に任せられることが大きな魅力です。会員制ECサイトが作れるおすすめASPサービス
カラーミーショップ
低コストながら基本的な機能を備えており、デザインの自由度も比較的高いです。
ショップ自体を会員限定にする方法と一部商品を会員しか購入できないように制限する方法がありどちらも設定で簡単に行えます。MakeShop
機能がとても豊富で、「事業として本気でネットショップを経営したい」という方向けです。
会員をグループ化して特典を差別化したり、取引事業者ごとに割引率の設定を変更することができます。
BtoBオプションを利用すると、取引先ごとに決済方法の制御、表示する商品の切り替えが可能で、管理画面では注文者の会社名・部署名、受領者の会社名・部署名での検索も可能です。
CMSで会員制ECサイトを構築する
CMSとはContents Management Systemの略で、webの専門的な知識がなくても、webサイトやコンテンツの構築・管理・更新ができるシステムのことです。
オープンソースCMS
プログラムのソースコードが無償で公開されているCMSで、商用・非商用問わずだれでも使用することができます。
カスタマイズ性は高いですが、ある程度知識がないと構築が難しいです。
また、ソースコードが公開されているので、サイバー攻撃の的になりやすく強力なセキュリティ対策が必要です。
EC-CUBE WordPressのWelCartなどがあります。パッケージCMS
CMSベンダーが独自に開発したECサイト構築の機能がパッケージ化された製品を購入して自社サーバにインストールするタイプのCMSです。
オープンソースCMSより機能が豊富で柔軟なカスタマイズが可能ですが、多額の制作コストがかかります。クラウドCMS
Webサイト運用・管理に必要なCMSの機能をwebブラウザ上で、だれもが手軽に利用できるクラウドパッケージです。
パッケージCMSと異なり、会員制サイト向けの機能があれば、初期導入費用が抑えられ、構築をスピーディーに行うことができます。ただ、ランニングコストは常にかかり、自由度の高さも劣ります。
詳しいECサイトの構築方法については、こちらの記事で解説しています。是非ご覧ください。
ECサイトの構築方法・立ち上げ方を解説!必要な費用・期間・手順は?
会員制ECサイトの構築の際に考慮するポイント
会員制ECサイトを構築する際は目的を明確にすることが大切です。
例えば、会員制にする目的が情報発信だけであれば、会員制ECサイトを作る必要もなくメールマガジンで事足りますし、コストを抑えることができます。
会員制にすることで企業、ユーザ双方にどういったメリットがあるのか、デメリットの方が大きくないかなどをしっかり検討して構築しましょう。
まとめ
今回は会員制ECサイトについて紹介しました。
会員制ECサイトは顧客と密接な関係を築きやすく、優良顧客を増やしやすいというメリットがありますが、集客に時間がかかります。
会員制にする必要があるのか構築の目的を考えて、一般ユーザと差別化できるサービスを提供していきましょう。
会員制ECサイトを構築する際に参考になれば幸いです。
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