
Web制作を依頼すると、どんな流れで進み、どのタイミングで確認や判断が必要になるのでしょうか。
特に初めての依頼だと、少し想像しにくいですよね。
全体像を知らないまま進めてしまうと、「思っていたのと違う」「想定外の追加費用が発生した」といったトラブルの原因になってしまいます。
この記事では、Web制作を依頼したときの流れを、発注から公開までステップごとに解説します。
あわせて、事前に準備しておきたいことや、各工程で修正が起きやすいポイントも整理しています。
制作の流れを理解しておくことで、制作会社とのやり取りがスムーズになり、より理想に近いWebサイトになります。
目次
Web制作を依頼するとき、最初に知っておきたい全体像
Web制作は、複数の工程を段階的に進めていくプロジェクトです。
ここを理解していないと、想定より時間がかかったり、修正費用が増えたりする原因になります。
Web制作は「段階的に進む」
一般的なWeb制作は、以下のような流れで進行します。

ヒアリング・要件整理
サイト構成・設計
デザイン
コーディング
システム
最終確認・公開
公開後の運用・保守
それぞれの工程で「確認」が発生し、「承認」を行ってから次の工程へ進みます。
小規模/中規模サイトの期間例
あくまで目安ですが、一般的な制作期間は以下の通りです。
| 規模 | ページ数 | 期間 |
|---|---|---|
| 小規模サイト | 5〜10ページ | 1.5〜2.5ヶ月 |
| 中規模サイト | 15〜30ページ | 3〜5ヶ月 |
ページ数だけでなく、
原稿の有無
写真撮影の有無
CMSや予約・問い合わせ機能の有無
などによって期間は大きく変動します。
修正が増えるとどうなるか
Web制作は、前工程に戻るほど、修正コストは大きくなるのが特徴です。
例えば、コーディングを行った後にデザインの修正を依頼すると、修正が大幅に増えます。
修正が増えると、
スケジュールが後ろ倒しになる
工数が増え、追加費用が発生する
制作側・依頼側双方の負担が増える
といった影響があります。
このあと各工程ごとに、修正が起きやすいポイントを解説していきますので、実際に制作を依頼する際の参考にしてみてください。
STEP1ヒアリング・要件整理

ヒアリング・要件整理とは、「どのような目的で、どのようなWebサイトを作るのか」を明確にする工程です。
制作会社は、サイトの目的やターゲットユーザー、必要なページや機能などをヒアリングし、それをもとにサイトの方向性を整理していきます。
この段階で内容を具体化しておくことで、後の設計やデザインがスムーズに進み、認識のズレによる修正を防ぐことにもつながります。
制作会社から聞かれる主な項目例
多くの制作会社では、以下のような項目をヒアリングします。
サイト制作の目的
集客/採用/ブランディング など
新規制作か、リニューアルか
競合サイト・参考にしたいサイト
同業他社のサイトで、デザインを参考にしたいサイト など
必要なページ内容
必要な機能
お問い合わせ、CMS、予約 など
公開希望時期
ご予算感
これらは「必須項目」と言える内容です。
事前に整理しておくことで、打ち合わせがスムーズになり、提案の精度も上がります。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください!
ヒアリングを基に、制作会社はサイトの規模や必要な工数を整理し、サイトマップと御見積書を作成します。
この時点で、制作費用の内訳やおおまかなスケジュール感が把握できるようになります。
キーワード「サイトマップ」
サイトに必要なページを洗い出し、表にまとめたものをサイトマップと呼びます。
ページ名、ディレクトリ名(URL)、ページの規模や参考URLなどがまとまっています。

すぐに発注を決めきれない場合は、提案書を作成してもらうという選択肢もあります。
提案書では、サイト構成案やデザインの方向性、進め方などが具体化されるため、「この内容で本当に目的を達成できそうか」を判断しやすくなります。
制作会社によっては、相談や簡易的な提案を無料で行っているケースもあります。
いきなり発注するのが不安な場合は、まずは複数社に相談し、考え方や進め方を比較してみるのも一つの方法です。
STEP2サイト構成・設計(ワイヤーフレーム)

発注後、最初に行うのがサイト全体の設計です。
制作会社はワイヤーフレームを作成します。
ワイヤーフレームとは?
キーワード「ワイヤーフレーム」
各ページのレイアウトや情報配置を簡易的に示した設計図
ページの遷移や、機能の仕様、掲載情報の整頓を行うために作成します。

この段階では「デザイン」ではなく、「情報の整理」が目的なので、資料のイメージを持っていただく方が近いかもしれません。
装飾は目的でないので、色はモノトーンで作られることが多いです。
知らないで見ると、最初は地味で驚くかもしれませんが、色がついていない状態が正常なのでご安心ください。
ワイヤーフレーム確認時に注意したい、修正が起きやすいポイント
ワイヤーフレームが提出されたら、以下に注意して確認してみてください。
ページの抜け漏れ
制作を希望したページが作られているか
導線の明快さ
ユーザーにとって使いやすそうか
コンテンツの内容
制作会社から掲載コンテンツを提案された場合、テキストや画像の用意が可能な内容となっているか
ワイヤーフレームはサイト制作の土台となる重要な工程なので、違和感があれば遠慮せず伝えましょう。
また、判断に困ったときは制作会社に相談することで、制作者の観点からアドバイスをもらうこともできます。
STEP3デザイン制作(見た目を作る)

設計が確定すると、デザイン制作に進みます。
デザイン提案は何案出て、何回修正を依頼できる?
制作会社によって異なりますが、1案を2~3回の修正でブラッシュアップしていく案件が多いです。
制作会社や相談次第で2~3案作成も可能なので、デザインにこだわりたい場合は、契約前に必ず確認しておきましょう。
デザイン確認時に注意したい、修正が起きやすいポイント
「思っていた印象と違う」という感覚的なズレ
ユーザーに持ってほしい印象と、デザインから受け取る印象が離れている
配色・フォントのイメージ違い
コーポレートカラーが含まれていないなど
写真のテイスト
真面目な印象にしてほしい、笑顔を多くしてほしいなど
抽象的な表現ではなく、「なぜ違うと感じるか」を言語化することで、修正精度が上がります。
ただし、アクセシビリティ(見やすさ)を確保するために配色が調整されていたり、PCの横画面・スマートフォンの縦画面など複数の表示環境を考慮してレイアウトが設計されている場合もあります。
そのため、見た目だけで判断せず、制作会社の意図を確認しておくことも大切です。
STEP4コーディング・システム実装(動くサイトにする)

デザインが確定すると、その見た目をWebブラウザで表示できる形に変換するコーディングに進み、
コーディングの確認が完了すると、更新機能やお問い合わせ機能などを組み込むシステム実装に進みます。
この工程を経て、デザインデータだったものが、実際に操作できるWebサイトとして形になります。
なぜコーディングとシステムで確認を分けるのか?
Web制作では、見た目を再現する工程と、機能を実装する工程で役割が異なります。
キーワード「コーディング」
デザインを、実際にWebブラウザで見られるページに変換する作業です。
デザインをもとに、文字やボタンを配置し、PCやスマートフォンで正しく表示されるように整えます。
また、ボタンを押したときの動きや、ページをスクロールしたときのアニメーションなども、このコーディングで実装されます。
キーワード「システム」
Webサイトに機能を追加する作業です。
例えば、
・お問い合わせフォームを送信できるようにする
・お知らせ記事を管理画面から追加・更新できるようにする
・商品が探しやすいように検索機能をつける
といった、「操作」や「更新」ができる仕組み(CMS)を組み込みます。
キーワード「CMS」
CMSとは「Content Management System(コンテンツ管理システム)」の略で、Webサイトの内容を、専門知識がなくても管理画面から更新できる仕組みのことです。
例えば、WordPressなどのCMSを導入すると、ブログを書くような感覚で「お知らせを投稿する」「実績を登録する」といった更新ができるようになります。
通常、Webページの修正にはHTMLなどの専門知識が必要ですが、CMSを使うことで、制作会社に依頼しなくても自分で情報を更新できるようになるのが大きな特徴です。
ウェブ上にデザインを反映するのがコーディング、機能を動かすのがシステム、とイメージするとわかりやすいでしょう。
確認観点が異なるため、以下のポイントを参考に、それぞれの段階で分けてチェックすることで、不具合の早期発見や修正対応がしやすくなります。
コーディング確認時に注意したい、修正が起きやすいポイント
コーディング確認では、デザインが正しく再現されているかという観点で確認を行います。
特に、以下のようなポイントは修正が発生しやすい傾向があります。
デザイン再現度
余白・文字サイズ・配置など
レスポンシブ表示
PC・スマートフォンでの見え方の違い
アニメーションや動きのタイミング・速度
カーソルを合わせると変化するホバーアニメーション、サイトをスクロールすると変化するスクロールアニメーションなど
リンク先が正しいか
ヘッダー、フッター、ページ内リンクなど
また、デザインで確認した際は問題がなくても、実際のブラウザ表示では印象が異なる場合もあります。
気になる点があれば、気付いた段階で制作会社に相談しておくことで、後工程での大きな修正を防ぐことにつながります。
システム確認時に注意したい、修正が起きやすいポイント
システム確認では、機能が想定通りに動作するかという観点で確認を行います。
具体的な確認項目は、導入しているCMSやシステムの種類、実装されている機能の範囲によって異なります。
そのため、すべてのサイトに共通するわけではありませんが、以下のようなポイントは多くのサイトで実際の運用に影響する重要な項目です。
公開前に重点的に確認しておくことが推奨されます。
フォーム機能
入力チェック
未入力・誤入力時の表示
送信後のサンクスページが表示されるか
管理者側への通知メール・入力者側への自動返信メール
正しく届くか、内容に問題がないか
CMS(更新機能)
管理画面の使いやすさ
更新のしやすさ
正しく情報の追加・編集・削除ができるか
公開・非公開の切り替えが正しく反映されるか
画像やファイルが問題なくアップロードできるか
検索機能(実績、お知らせページなど)
検索機能の操作感
絞り込み結果が正しく表示されるか
該当件数が0件の場合の表示
ページ送り(ページネーション)が正しく動作するか
例えば、ホームページ上では完了画面に遷移したとしても、通知メールが届かないと機会損失につながる可能性があります。
公開後のトラブルを防ぐためにも、「実際に自分が運用すること」を想定して操作しながら確認しておくことが大切です。
STEP5最終確認・公開

コーディングとシステムの確認が完了すると、いよいよWebサイトを公開する最終段階に入ります。
公開後は、一般ユーザーが実際にアクセスできる状態になるため、この段階での確認は非常に重要です。
公開してから修正することも可能ですが、場合によっては一時的にユーザーへ誤った情報が表示されてしまう可能性もあるため、公開前にできる限り不備がない状態にしておくことが望ましいでしょう。
公開前に確認しておくべきチェック項目
公開前には、以下のような基本的な項目を中心に最終確認を行います。
掲載内容が正しいか
誤字脱字や掲載されている文章・画像に誤りがないかを確認します。
会社名やサービス名、電話番号などの重要な情報は特に注意して確認しましょう。リンク切れ
各ページのリンクを実際にクリックし、正しいページへ遷移するかを確認します。
リンク切れはユーザーの離脱につながる原因になります。表示崩れ(主要ブラウザ・スマホ)
パソコンだけでなく、スマートフォンでも表示を確認します。
また、ChromeやSafariなど、複数のブラウザで表示に問題がないかをチェックします。
公開前の確認は制作会社側でも実施されますが、実際に運用する依頼者自身の目線で確認することで、より安心して公開を迎えることができます。
公開後、すぐにやるべきこと
Webサイトは公開して終わりではなく、公開直後にもいくつか確認・設定しておくべき項目があります。
Google アナリティクス/サーチコンソールの設定
アクセス数や検索状況を把握するためのツールです。
どのくらいのユーザーが訪問しているか、どのページが見られているかを確認できるようになります。
制作会社によっては、この設定まで請け負ってくれる場合があります。お問い合わせ通知の確認
公開後にも、実際にフォーム送信を行い、通知が正常に届くかを再度確認しておきましょう。
バックアップ取得
公開時点のデータをバックアップとして保存しておくことで、万が一のトラブル時にも復旧しやすくなります。
公開直後は問題が起きやすいタイミングでもあるため、早めに確認しておくことが重要です。
スムーズに確認が行えるよう、あらかじめ公開日の予定を調整しておくことをおすすめします。
公開後に必要な運用・保守

Webサイトは公開して終わりではなく、その後の運用・保守によって効果が大きく変わります。
情報を更新せずに放置してしまうと、ユーザーに古い情報を与えてしまったり、Googleからもう使われていないサイトだと判断されて検索の順位が落ちてしまう可能性があるため、定期的な更新とメンテナンスが重要です。
公開後、依頼者側で対応が必要なこと
公開後は、CMSが導入されているコンテンツの更新作業は、依頼者側で行うケースが一般的です。
お知らせ・実績追加
新着情報や実績を追加することで、サイトの信頼性向上や情報発信につながります。
掲載情報の更新
情報が古いままだと、ユーザーに誤解を与えてしまう可能性があるため、変更があった際には速やかに修正することが重要です。
お問い合わせ対応
Webサイト経由で届いたお問い合わせへの返信も、依頼者側で対応が必要です。
返信が遅れると機会損失につながる可能性もあるため、通知メールを定期的に確認できる体制を整えておくと安心です。
CMSが導入されている場合、お知らせや実績の追加などは、専門知識がなくても管理画面から更新できるようになっていることが多いです。
ただし、CMS化されていないページのテキスト修正などは、HTMLの構造を理解していないと対応が難しいケースもあるため、事前にどこまで自分で更新できるのかを制作会社に確認しておくと安心です。
制作会社に任せられる保守の内容
一方で、専門的な知識が必要な作業は、制作会社に保守として依頼することが安全です。
サーバー・CMSアップデート
システムを安全に運用するために必要な更新作業です。
障害対応
表示不具合やシステムエラーなど、問題が発生した際の対応を行います。
セキュリティ対策
不正アクセスなどからサイトを守るための対策を行います。
保守契約の内容は制作会社によって異なります。
お知らせ・ブログ・実績追加や、掲載情報の更新を制作会社に任せられる場合もあるため、事前にどこまで対応してもらえるのか確認しておくと安心です。
まとめ
Web制作は工程ごとに目的と役割があります。全体像を理解し、各ステップで適切に確認を行うことで、
意図しない追加費用の回避
スケジュール遅延の防止
満足度の高いサイト制作
につながります。
特に、各工程での確認を丁寧に行うことが、公開後のトラブル防止や、スムーズな運用につながります。
これからWeb制作を依頼する方は、ぜひ本記事を参考に、各ステップの意味を理解しながら進めてみてください。