・テレワーク、職場近くに住んで通勤した場合のそれぞれのメリット・デメリットが知りたい
・テレワークってやっぱり楽?サボれる(笑)?と思っている人
・職住近接って最近聞くけど実際どうなの?という人
働き方改革が叫ばれて久しいこの頃。出社せず自宅で仕事をする「テレワーク」という働き方が、コロナウイルスの影響もあり一気に広まりました。
一方で「職住近接」という職場と自宅が近所にあるライフスタイルも注目されています。
この記事では「ぶっちゃけテレワークと職住近接、どっちが最高の働き方なのか?」という疑問を解決すべく我々はアマゾンの奥地に向か…わずに、弊社にいるテレワーク組と職住近接組、両方の話を聞き、それぞれのメリット・デメリットなどを解明いたします。
また、「テレワークしたいけど、上司からの許可がもらえるか心配」という方のために、「経営者側が何を懸念しているか」「どんな条件だったらOKを出すのか」についても聞いてみました。
この記事を読めば「テレワーク」「職住近接」の理解が深まること間違いなしです!
目次
まずはテレワークと職住近接について知ろう
ここではテレワークと職住近接、何が違うの?なんでこんなに叫ばれるようになったの?という話をします。
このあたりを頭に入れていたほうがこの後の記事の理解が進むと思います。
1-1用語の定義
ここではテレワーク、職住近接について以下のように定義します。
職住近接:職場と自宅が近く、通勤はするがその時間が極力短い。ここでは片道30分以内としましょう。
日本テレワーク協会によると、テレワークは「場所や”時間に”とらわれない柔軟な働き方」ということなので、本当はもっと広がりのある言葉かもしれませんが、本記事では職住近接との比較をするために「場所にとらわれない」という点に着目して進めていきます。
また、似たような言葉が色々あるので、他の用語についてもざっくりまとめておきます。(詳しく知りたい人はググってみてください!)
これらの用語はメディアによって定義がばらついているようなので、あくまでも参考程度とご認識ください。
リモートワーク:会社から離れた(remote)場所で働く。フリーランスや自営業者についてより、会社員の働き方の一形態としてのニュアンスが強い。
ノマドワーク:固定のオフィスを持たず、遊牧民(ノマド)のようにいろいろな場所で仕事をする。
在宅勤務:自宅で勤務する働き方。テレワークに含まれる。なお、自宅警備員ではありません。
いわゆる長時間通勤は「職住分離」ということになります。
ちなみに、職住”融合”も2020年の住まいのトレンドに浮上しつつあります。この場合は積極的に自宅を職場環境に近づけていこう!という気概が感じられますね。
1-2テレワーク・職住近接が注目されるに至った背景
テレワークは東日本大震災が起こった以降から徐々に注目されるようになりました。災害などでオフィスが使えない状態になったとしても、会社の機能を分散させることができるためです。
それでも、通信インフラやセキュリティ上の懸念などから、導入に二の足を踏む企業は少なくありませんでした。
ところがコロナウイルスの影響でテレワークの導入に積極的でなかった企業にまで一気に広まったというわけですね。
職住近接についても、働き方改革の影響などもあって注目を浴びるようになり、職住近接を推奨する企業は増えつつあります。有名なところだとサイバーエージェントやクックパッド、IT系以外だと高島屋などです。
こういった背景があること、実際にテレワークを実践して、その良さを実感した人が増えたことから、テレワーク・職住近接どちらも加速していく流れとみてよいでしょう。
テレワークVS職住近接どちらが最高の働き方?~東京・下町にあるWeb制作会社の場合~
テレワークだ職住近接だと言われても、「自分にはあまり実感がないなあ…」という人もいるかもしれません。
弊社では両方の働き方をしている社員がいるので、ヒアリングを行い、それぞれのメリット・デメリットを浮き彫りにしちゃいました!
2-12020年5月現在の弊社の状況について
弊社では社員のうち、電車通勤が必要なおよそ半分がリモート勤務を実施しています。
残りの3割が徒歩や自転車で通勤する職住近接で、残り2割の、新卒や職歴が短い社員は例外的に片道30分以上の電車通勤をしています。(もちろんオフィスでも3密を避けてますのでご心配なく。)
ちなみに筆者は以前勤めていた企業でテレワークを経験しており、現在は職住近接を実践しているので、どちらの働き方の良さもある程度理解しているつもりです。
2-2制度や立地も忘れちゃいけない
そして、大事なのが制度面。交通費は基本的に全額支給なのでどこに住もうが自由といえば自由なのですが、
BRISKでは会社近くに住むと交通費の代わりに3万円が支給されるので、それを家賃に充当することができます。
ただ、いくら家賃補助制度があるからといって、めちゃくちゃ家賃が高いエリアだとさすがに住むのもためらわれますよね。
弊社は江東区住吉にあり、いわゆる東京の下町という感じで、周辺は住宅街です。
とはいえ、東京スカイツリーは会社から見えるくらいには近くで、東京の首都としての機能や経済の主要地としての役割を担う錦糸町・亀戸副都心も近く、東京メトロ半蔵門線と都営新宿線の2路線使える(新宿・渋谷は乗り換えなしで30分くらいで行けますよ!)ので、「家賃はめちゃくちゃ高いわけではないが、安いわけではない」という感じかと思います。
ちなみに住吉駅周辺のアパート(1R)の相場はだいたい7万円くらい。あくまでも相場ですので探せば6万円台やそれ以下の物件もありますし、近年増えてきた、シェアハウスに住んで家賃を抑えている社員もいます。
社員が語る、テレワークをやってみて感じたことや課題について
さて、少し脱線してしまいましたが実際の意見を見ていきましょう。まずはテレワーク組から。
3-1テレワークをしてみてよかったですか?
なんと100%!満場一致です!!
コロナ禍の影響かもしれませんが、誰一人として「よくなかった」と回答した人がいませんでした。
実際の意見を見てみましょう。
やはり(満員)電車通勤を避けられるというのが大きなメリットのようです。
通勤に使っていた時間を睡眠に充てられるので健康にもよいですし、勉強や趣味の時間に充てればスキルアップやリフレッシュもできて一石二鳥ですね!いやむしろ一石三鳥くらいあるかもしれません。
コロナに関係なく、移動時のトラブルに巻き込まれることもなくなるのもいいですね!
また、「自宅であれば参考にしたい資料をすぐ確認できる」、他の人宛にかかってくる電話に煩わされることもなくなるので「集中力がアップした」という声も。確かに集中してるのに、いきなり電話がかかってくるとビクッとしますよね…。
「昼休みに家事をおこなえる」「食べ物や飲み物が周りに気を遣わずに自由にできる。(音が出るせんべいなども気にしない(笑))」という意外なメリットも(笑)。
3-2テレワークでやりにくかったこと、出勤していたときと比べてデメリットだと思った点を教えてください。
テレワーク組は社用のPCを持ち帰って業務を行っているのですが、通信回線や椅子、モニタなどの作業環境は各自が持っているものに依存するので、人によってはストレスになっていることも。
これは制作会社ならではの悩みですが、検証端末がないというのも地味なデメリットですね。
作成したサイトを検証する際に、オフィスにある複数のブラウザや端末でチェックするのですが、テレワークだと端末が手元にないので、オフィスにいる人に検証を依頼することになります。自分が検証したかった視点とずれが出ないようあの手この手で指示を出し、自分で検証するよりどうしても手間がかかってしまうことも。
また、意外と多かったのが運動不足になる…という声。ジムも開いていないしランニングするのも憚られる中で、仕方ないのかもしれませんが、健康管理も仕事のうち。家の中でもできる運動をこまめにするしかなさそうです。
ちなみに筆者のおすすめはステッパーです。さほど場所も取らないし安いものであれば2000円くらいで購入できるし、スタンディングデスクと組み合わせれば、仕事しながら運動ができるのでとてもよいです。雑誌や専門書で代用することもできますね(笑)。
経験者が語る、職住近接の魅力
それでは家と職場が近い、職住近接の場合はどうでしょうか。
弊社メンバーの中には「もともと近くに住んでいた」という人もいれば「就職(転職)を機に近くに引っ越した」という人もいます。
4-1会社の近くに住もうと思ったきっかけを教えてください。
やはり「電車に乗りたくない」という声が多いです。本当にそうなのかは少し怪しいですが「通勤ラッシュによるストレスは戦場以上」という研究結果もあるくらいなので、電車通勤によるストレスは尋常ではないことがお分かりでしょう。
「もともと会社の近くに住んでいた」というのはラッキーとして(笑)、会社の近くに住むことで通勤時間が減り仕事に没頭できる点を良いとしている人もいました。また、それが実現できる制度があるというのも大きいですね!
ちなみに筆者は満員電車の話を聞くと「相変異」を思い出してはゾッとしています。
相変異というのは昆虫に見られる現象で、過密な環境での生活を続けると体が真っ黒に変異したバッタが生まれるというものです…!人間も満員電車に乗り続けていたら変異しそうですよね!
4-2職住近接になったメリットを教えてください。
最後に回答してくれた人は、電車に乗らないことをものすごく喜んでいるようです。それがひしひしと伝わってきますね(笑)。
住む場所によりますが、公共交通機関を使うほどではないけど、ちょっと離れた距離の場合は必然的に歩くことになるので健康にもよさそうです。
残業した場合に家が遠いと「やっと仕事終わったのにまた満員電車で帰らないといけないのか…」なんて思ってさらに気が重くなっちゃいますよね。通勤時間が減るので、職住近接の場合でもテレワークと同じく自由時間が増えてよかったという結果になりました。
ちなみに筆者が感じるメリットとしては「満員電車のストレスがない」「自由時間が増える」以外に「昼休みを有効に使える」というのがあります。家に帰ってランチを食べたり、忘れ物があっても取りに戻れたり、なんなら昼寝もOKです。
4-3職住近接になったデメリットを教えてください。
と、聞いたらなんと!ほぼ全員が「特にありません」とのことでした。
「ある」と答えた人は”夜遅くまで残れてしまう”という回答。
確かに家が近いと電車の時間を気にせず仕事ができてしまうので、翌日でもできることでもついつい残ってやってしまいがちです。
しかし、それを除けばデメリットはないという結論!すごいぞ職住近接!!
ちなみに弊社では出てきませんでしたが、家と職場が近すぎたり、近くに住んでいる人が多かったりすると
「仕事とプライベートのメリハリがつけにくい」「休みの日に職場の人と出くわしてしまう」という点が一般的なデメリットとして挙げられます。これはライフスタイルによっては気にならないかもしれません。
他にも職住近接のメリット・デメリットについては以下の記事も参考になります。職場と家が近い人なら「わかるううう!」となるポイントがいっぱいでした。
【職場から徒歩1分の場所に住む】6ヶ月暮らしてわかった職住近接のメリット&デメリット
4-4もし家賃補助がなかったとしても、会社の近くに住もうと思いましたか?
まさかの5分5分でした。人によって「通勤時間」と「家賃」の優先順位が変わるというのがよくわかります。
補助がなくても近くに住みたいと答えた人はやはり「電車に乗りたくない」「通勤時間を短くしたい」。
Noと答えた人は「会社近くの家賃が高いため」だそうです。確かに離れれば家賃は安くなりますよね…。
ちなみに筆者も、補助がなくても近くに住む派です。以下のように考えて、近くに住んだ方が合理的かな…なんて思ってます。
もし仮に自分が仕事をしてもらえる価値が時給1000円程度であれば、通勤時間が1時間増えるような場所に引っ越した場合、往復2時間、少なめに見積もって月20日出勤だとすると通勤のコストは毎月2 × 20 × 1000 = 40000円です。
この値段を高いとみるか、安いとみるか、あなたはどうでしょうか。
4-5前職と比べて通勤時間は変わりましたか?
新卒から近所に住む人もいるのですが、中途の人に限定して答えてもらいました。
なんでしょう…微妙な結果ですね(爆)。
「変わってない」という人は前職でも会社の近くに住んでいたのかなと思いますが、「長くなった」?!!ある意味うらやましいですね!
…それはさておき、短くなったと答えた人は「電車に乗ることによるストレスが減った」と答えてくれました。
4-630分以上かけて通勤している人にテレワークと職住近接、どっちがいいか聞いてみた
弊社では数人、1時間~1時間半くらいかけて通勤してくる人もいるので、その人たちに「テレワークと職住近接自分がやるとしたらどっちがいいか」聞いてみました。
その結果、全員が「職住近接のほうがいい」という回答でした。すごいぞ職住近接…!
理由としては「職場の方が集中できるし、周りとのコミュニケーションが取りやすい」とのことでした。
なんだかんだ対面でのコミュニケーションに勝るものはないし、職場の方が「仕事をするための場所」なのでやはり集中しやすいですよね。
というわけで、職住近接の方がよさそうだぞ?という結果になりそうです。
とはいえメリットデメリットは人によって違うと思うので、次節以降の「テレワークで起こりうる問題」「それをどうやって解決するか」を頭に入れつつ、自分に合った働き方を模索してみてはいかがでしょう。
テレワークの課題は「コミュニケーションの取り方」にあり?デメリットについて考えてみる
ここまでテレワークと職住近接の実態をご紹介しましたが、弊社で課題として最も多く挙げられたのが「メンバー間でのコミュニケーションの取り方について」です。
とある社員のコメントなのですが、テレワークで起こるコミュニケーション上の問題をうまくまとめていただいて大変感謝しております…!
コミュニケーションに慣れている人であれば、チャットだけで全てのタスクを成立させることもできますが、
「伝える側」の言葉足らずであったり「受け取る側」の状況を察する勘のようなものが微妙に足りないことでミスが起きたり、一方が「依頼したつもり」他方は「まだ着手とは聞いていない」といった認識の齟齬が何度か発生しました。
そうなると単純にその作業のリカバリーだけでなく、伝える側、受取る側の間で互いに対するストレスなども生まれて今後も連携が悪くなる場合もあるので、その辺は「大事な場面では対面で一声かける」といった普段当たり前にやっていたことができないことによるマイナス点かと思います。
5-1なぜ連携がとりにくくなるの?
テレワークの場合、チャットツールや電話など非対面でのコミュニケーションがメインになります。
そのためお互いの状況を把握しにくく「気遣う、察する」ことが難しくなりがちです。
また、会社の他のメンバーとつながっている感じが減るので孤独感が募る(特に一人暮らしの場合)、回線が遅くてイライラするなど普段オフィスで働いている状況よりストレスが溜まりやすい状況なのもあって、「円滑なコミュニケーション」を実現しづらくなるのかもしれません。具体的に考えられる要因を挙げてみましょう。
経験不足やイレギュラーに対応する体制が整っていない
普段から対面以外でやり取りするのに慣れているディレクター職の人や、コロナ前からテレワークしている社員とやりとりしている社員であればあまり問題はなかったのですが、以下のような人やケースではたびたび連携が取れないことがありました。
会社のルールにも不慣れな上に、いきなり非対面でやりとりをすることになってしまった新卒社員
リモート経験がなかった社員
トラブル対応などイレギュラーなケース
言葉足らずになりがち
チャットツールがメインのコミュニケーションだと表情が見えないし感情が読み取れません。さらに置かれている「状況」も分かりにくいですよね。
オフィスにいれば「いま電話対応中なんだな」「この案件の対応してるんだな」「あっ、忙しそうだな…」なんて状況を把握できます。
同じ空間にいれば相手の状況や表情を見て「話しかけるのはもう少し後にしよう」「急がなくていいよ、って伝えよう」なんて気遣いもできるところですが、
それができずに優先度の勘違い(すぐにやらなくていいと思っていた)や責任範囲の勘違い(XXさんが対応してくれると思ったのに自分がやらなきゃいけなかった)が生まれてしまうことも。
顔が見えない相手とやり取りする場合は「伝えるかどうか迷ったこと」はとりあえず伝えるのがよさそうです。
余計かな?おせっかいかな?と思ってもそのくらいが案外ちょうどいいのかもしれません。
つい楽をしがち
同じ空間にいれば、画面を見せて「これをこういう感じで~」といった感覚的なコミュニケーションが成り立ちますが、リモートの場合は相手の状況や表情、タスクを依頼した背景などなど細かい情報は、わたしたちが自覚している以上に抜け落ちやすいです。
そのため、「えっ、こんなことまで説明しないといけないのかな?」というレベルのことでさえ、正確に言葉に落とし込まないと認識の齟齬が生じてしまうことがあります。
時間差が生まれがち
対面の場合は良くも悪くもその人の手を「止める」ことができるので、伝え/伝わりやすいのですが、チャットの場合だといわゆる「ながら見」もできるため、理解したつもりでも実は中途半端な理解で、想定と違う結果になってしまうこともあります。
オンラインでのやり取りは便利ですが思わぬ弊害もあります。そのため「イレギュラー対応はオフィスにいるメンバーが率先して対応する」「チャットツール上でのコミュニケーションルールを決める」など、あらかじめルールを決めておくとコミュニケーションのストレスは軽減されるでしょう。
テレワークの先駆者から学ぶ、意外な事実と施策
コロナの影響でやむを得ずテレワークを進めることになってしまった弊社では、前述の通りコミュニケーションがうまくとれないという問題が出てきました。
それでは、コロナ以前からテレワークを積極的に導入した会社ではどんなことを気を付けているのでしょうか。(その真相を探るべく我々は…)
6-1テレワークの意外な事実①:サボれないし隠れ場所がない?
「リモートワークを当たり前にし、労働革命で人々にもっと自由を。」というコピーを掲げる、株式会社キャスターはその理念通りフリーランスのマッチングサービスや業務のアシスタントサービスなどを手掛ける会社です。
なんとこの会社、700名以上のメンバー全員がリモートワークなんです。まさにテレワーク界の鑑!
そんな”フルリモート”の企業ではどんなコミュニケーションを意識しているのでしょうか。
オンラインの方が業務量をごまかせない?!
今までは「頑張る姿勢」も評価されていたかもしれませんが、リモートワークになった途端に「行動」ではなく「結果」にフォーカスが当たります。結果が出ていなかったり、ちゃんと仕事をしていなかったりするのを「頑張る姿勢」で誤魔化していた人は、追いつけなくなるんですよ。多くの場合チャットツールにもあまり登場せず、アウトプット量も少なくなります。社員や業務委託のメンバーに限らず、僕たち含めたマネジメント層にも言える話です。
「うわっ、厳しい」って思われるかもしれませんが、顔が見えない分ごまかしがきかず「やったか、やってないか」だけで判断されるのがテレワークの本当の姿です。
筆者もフルリモートの会社で勤務していた時は、日報などの成果報告がかなり細かく、少しでも進捗が芳しくないように思われると厳しめに突っ込まれました…。
「テレワーク」は自分が働いている様子が見えないし、サボれて楽ができそう♪、と考える人もいるかもしれませんが、実際は全く逆だったりします。
実際のオフィスでも常に全員がさぼらず仕事をしているか常に監視をしているわけではないので、「サボれる」という発想は完全に間違いだと思った方がよいでしょう。
自発的に仕事を取れない人や自律ができない人がテレワークをしても成果を出していないとみなされ、オフィスにいるときよりも厳しい評価になってしまうかもしれません。
会話するようにチャットするべし
オフィスを想像してみてください。誰かに話しかけるときには、席まで行ってみんながいる環境の中で話しかけますよね。リモートワークにおいて、話しかける行為を個別チャットに置き換えてしまうと「○○さん、話したいことがあるので、ちょっと個室まで来て下さい」と言っている状態になります。誰かに話すたびに個室に行き、自分の席に戻るという繰り返しとなり、オフィスは会話がなく活気がない状態となります。これはおかしいですよね。実際にリアルの場に置き換えるとどうなるかを考えてみてください。
筆者、思わず「なるほど…!」とうなりました。「この案件はXXさんが詳しいからチャットしよう、わざわざ全体で書くほどでもないから個別でいいかな?」とついつい個別チャットで連絡してしまうことも多いので「リアルな空間だったらどうするか?」を意識してみようかなと思います。
下記のポップインサイトさんの記事内でも言及されているのですが、個別ではない「開かれた」コミュニケーションを減らさないことがテレワーク成功のカギのようです。
「節度をわきまえたコミュニケーションができる」「各自の動きが見えやすい」「その結果、信頼関係が生まれやすい」「経営者視点で、解像度高く状態がわかる」などのメリットがあるんですってよ!
6-2テレワークの意外な事実②:「気づいて、察して」ではなく「まめに、アピール」
マーケティングリサーチシステムの運営を手掛ける株式会社ポップインサイトは社員の9割以上がテレワーク。国内にとどまらず海外在住の社員もいるそうです。
株式会社ポップインサイトでは、オンライン上のコミュニケーションにおいて2つのマインドを大切にしています。
「気づいてほしい、察してほしい」という期待を持たない
まめにレスポンスする
チャットツール上では表情もわからないし、どんな状況に置かれているのかもわかりません。
そんな状況で相手に気づけ、察しろというのは酷ですよね。それを防ぐためにもこまめに自分の状況を発信したり、相手に確認をとることが必要になるでしょう。
他にも具体的なテクニックとして以下の3つがあるそうです。
自分専用チャンネルを作り、些細なことでも発信する
「誰かに相談するほどでもないけど、ちょっと気になるなあ」なんてことや、ちょっとした独り言を「自分専用チャンネル」で投稿。それに対して誰かが反応する。その繰り返しで社内のコミュニケーションが活発になったそうです。
スタンプ類は徹底的に使用する
文章のみだとどうしても「冷たい」印象になってしまうので、少し大げさなくらいに絵文字やスタンプを使うほうが社内の雰囲気が明るくなります。また返信が必要なさそうな投稿でも、スタンプなどでリアクションすれば「見てるよ」というサインになるのでコミュニケーションにプラスの効果があります。
ネガティブな指摘はチャットを使わず電話などでする
文章で指摘してしまうと、後々見返したときに思い出してネガティブな気持ちになるのと、文章ベースだと冷たく受け取られるので余計ネガティブな印象になってしまうのを防ぐためだそうです。
6-3テレワークのコツは「ちょっとひと手間」
どのポイントも、テレワークの知見が貯まった企業ならではの、的確かつ具体的なものですね!
顔が見えないコミュニケーションの上に成り立つテレワークだからこそ、文字でのコミュニケーション量を密にしたり、絵文字などで補完していく「ちょっとひと手間」の姿勢が必要になることがわかりました。
また、テレワークだからこそシビアに結果が求められるというのも胸にとどめておきたいものです。良くも悪くも「頑張る姿勢」が見えず、純粋にアウトプットで評価されるので、性格や業種によっては「リモートは向かない」という場合もあるでしょう。
参考サイト1:スタッフほぼ全員がリモートワーク。キャスター石倉秀明に聞く「これからの働き方」
参考サイト2:700人全社員フルリモート企業に聞く、リモートワーク導入のコツ
参考サイト3:社員の9割以上がフルリモートワーク!株式会社ポップインサイトとは?
弊社社長に聞く、「テレワーク」「職住近接」ぶっちゃけどう思いますか?
「働く側」「雇う側」でテレワークや職住近接のメリットって違いますし、片方のメリットがもう片方のデメリットになりうることもあります。でも、互いの利益が一致すれば最高ですよね!
そこで、経営者側はテレワークや職住近接についてどう考えているのか確かめるべく、(ソーシャルディスタンスを保ちながら)突撃インタビューを行いました。
7-1テレワーク、ぶっちゃけアリですか?
経営者の立場からもテレワークはメリットが多いので、ぜひ導入したいとのお言葉。
具体的なメリットとしては、
家賃を抑えられる
人が増えてもリモートメインにして出社する人数を抑えられればオフィスを拡大する必要もないのでお得!
管理コストが減る
対面のコミュニケーションがなくなりチャットと電話メインになるので、電話やチャットが来たときだけ対応すればよくなる(リーダー1人あたりの管理できる人数が増えると想定しています。)
人間関係も良くなる
テレワークをすることでストレス緩和にもなるので、結果的に人間関係にもプラスに働く
もちろん働く側としても、いいことづくし!ですが、懸念点もまだまだあるのが実状のようです。
7-2テレワークに踏みこめない2つの理由
社員教育について
理想は、個々人がやるべきことをやっていれば、いつ・どこで・どんな風に働こうが構わない。
そんな「マネジメント」がいらない状態になればいいのですが、現実はそうそううまくはいきません。
会社が「どんな成長フェーズにあるか」「どういう人を採用したいか」にもよりますが、
いまの弊社ではスキル面より人柄がよいとか社風に合うことを重視しているので、必然的に教育コストが高くなります。
社内の文化を理解してもらうのも、言語化しづらい「ちょっとしたこと」を伝えるにも、やはりオフラインの方に分があります。
また、リモートで成果を出すには自分を律してアウトプットを出せる人でないといけません。そうだと証明できるだけの信頼関係も必要です。
テレワークができるようになるには「明文化されていないルールやノウハウをいかに言語化するか」「リモートでも成長できる環境(を自ら作り出せる人物)を作れるか」がネックになるのではないでしょうか。
ルール整備について
テレワークを円滑に進めるには、以下の3点について社内でルールを整備する必要があります。
①テレワーク時の費用負担
社内の電話でなく個人所有の電話でのやりとりになるので、その際の電話代
交通費を定期で払うのか、出社した分だけ支払うのか
出社日数によっては定期の方が安いなんてこともある
インターネット環境がない、あまり早くない場合の導入費用
自宅で仕事した場合の水道光熱費
コワーキングスペースなどで作業する場合の使用料
などでしょうか。ほかにも弊社のような制作会社だと外付けモニタがあるかどうかが効率にすごく影響するので、その購入費用も気になるところです。
個々人の環境によって効率に差が出てしまうのは好ましくないですが、どこまでを負担するのかが難しいところでしょう。
特に真夏や真冬だと光熱費がかさむので、正直家で仕事をするより会社で働いたほうが節約になるよなあ…なんて思ったり(笑)。
電話代や交通費なども「コロナでやむを得ず」の短期間であればあまり問題視されませんが、恒常的にリモートになれば見過ごせない問題になりそうですね。
②セキュリティ
リモートだとどうしてもPCのセキュリティが心配になります。フリーWiFiにつないだらうっかりウイルスに感染してしまった、カフェなどで作業していたら情報が漏れてしまっていた…なんてことは絶対に避けねばなりません。
セキュリティの問題を解決するには、知識不足によるミスを防ぐような教育も必要ですし、ウイルス対策をどうするかといったことも考えないといけないでしょう。
③誰が出社するのか?問題
弊社は現在、受託開発がメインの会社なので、クライアントのやりとりに影響があってはなりません。そのため電話番は欠かせないですし、事務作業をする人も必要です。そうなったら出社する人とフルリモートの人とで待遇を変える方がいいのか?不公平感が生まれるのではないか?といった懸念が出てくるかもしれません。
ちなみにテレワークを推進する一般的なメリットとしては「場所の制約がなくなる分、優秀な人材を採用しやすい」という点がありますが、弊社の場合はあまり関係ないとのこと。
自分の考え方や価値観が定まった優秀な人を採用するより、「ポテンシャルのある新卒をカルチャーマッチするよう育てる」という方針のためです。
7-3職住近接やフレックス制についてはどう思いますか?
フリマアプリで有名なメルカリや採用マッチングサービスを運営しているウォンテッドリーなどはテレワークを「推奨しない」企業として知られています(※)。
その代わりに、職住近接を推奨し、家賃手当を出したり、電車通勤対策(?)としてフレックス制を導入しているようですね。
※メルカリでもコロナウイルスの影響でテレワークを導入したようです。弊社と同じような課題なども見えてきて参考になりました…!
社員の満足度を上げつつ、業績もアップして、経費の節約をしたい。そのための方法はいろいろありますが、それぞれ制約や課題があってなかなか導入できない部分もあります。
いきなりフレックスを導入したら、コアタイムとずれた時間にさぼる人も出てくるかもしれないし、社内での打ち合わせ時間の調整もやりにくくなるかもしれません。
経営者としては社員の満足度だけでなく、売り上げも気にしないといけないので、ホイホイと新しい制度を取り入れるわけにもいかないというわけですよね…。うーん、頭が下がります!
7-4社員も経営者もギブアンドテイク
弊社では社員も経営者もギブアンドテイクのスタンスなので、一方的に「ああしてほしい」「こうしてほしい」というわけにはいきません。
働きやすい環境を勝ち取るためには、わたしたち社員も信頼してもらうような働きをするのが大前提でしょう。
また、一方的に提案を待つのではなくこちらからメリットを提示したり、懸念点を潰すような提案をする姿勢も求められると思います。
今後テレワークが普及すれば制度面の問題についてはノウハウがたくさん出てきそうですが、教育面の課題は千差万別なので各社で模索していくことになるでしょう。
考え方を変えれば、テレワークでも問題なくコミュニケーションができて、成果を出せる社員を育てることができれば、会社のレベルも爆上がり!になるので、テレワークの導入を念頭に入れた教育を考えるのもよいかもしれません。
まとめ:理想の働き方を実現するには「いいとこどり」がいいのかもしれない
この記事では「テレワーク」と「職住近接」2つの働き方について検証してきました。
どちらの働き方でも通勤によるストレスを減らし、時間を有効に使えるメリットがあります。
働き方改革の後押しや、コロナウイルスの影響もあり、今後どんどん広がっていくことが期待されるでしょう。
8-1職住近接で週2テレワークが最強?!
テレワークのメリットは自宅で作業できるので、移動のストレスもなく、人目を気にせず仕事に没頭できる点です。また、社内からは挙がりませんでしたが「小さい子供がいる」という場合にも理想的な働き方といえるでしょう。
ですが、運用の仕方によっては「孤立感が強くなりやすい」「認識の齟齬が生じやすい」といったコミュニケーション上の問題や、「テレワーク中の電話代や光熱費はどうするのか」など費用面の問題も起こりうるので「チャットルールの使い方」「リモートを許可する条件」など社内ルールを整備する必要があります。
また、非対面でも成果を出せて、セキュリティ面を配慮できるように教育ができれば安心してテレワークを導入できるでしょう。
職住近接の場合は「通勤のストレスが減って自由時間が増える」というテレワークの良さを活かしつつ、「自宅と仕事する場所を分けられ集中できる」というメリットもあることがわかりました。家賃補助制度など会社の後押しがあり、家庭の事情などの制約がない場合はこれが最高の働き方かもしれません。
職住近接が浸透するには以下の点をクリアする必要があります。
職場近くに住むと家賃が高くなりがちなので、家賃補助などの制度がある
その地域にわざわざ住んでもいいと思えるようなメリット(治安やアクセスがいい、住みやすいなど)がある
ちなみにテレワーク先進国のフランスでは、週5日のフルリモートを推奨している企業は意外と少なく、大半は「週2日」の導入が多いそうです。
「週1日未満」だとテレワークの体制を整えるのにかかる手間が、得られるメリットより大きくなってしまう
「週1~2日」だと効率が上がり生産性が向上する
それ以上だと会社との「つながり」が希薄に感じられて生産性が落ちる
上記のように、テレワークの日数と生産性には相関があるらしいので、いきなりフルリモートを!と意気込むよりは、基本的に職住近接を推奨しつつ、会社の状況に応じて部分的に取り入れるほうが良い結果をもたらすのかもしれません。
また、記事で紹介したキャスターさんではテレワーク(テレワーク)導入のための資料を提供してくれています!
「テレワーク実践にあたり実施すべきこと」「テレワークを中長期的に行うことによるメリット」などがまとまっているので、一見の価値ありですね…!
新型コロナウイルス対策としてリモートワーク導入企業をサポート: リモートワーク導入に関するホワイトペーパーを公開
この記事を参考にして、みなさまが理想のワークスタイルを勝ち取れることを祈っております…!
一緒にテレワーク/職住近接してみませんか?
BRISKでは一緒に働くWebデザイナー・Webプログラマーを募集しております。
今回ご紹介した、職住近接がしやすい環境が整っております。
短い時間で集中して、結果をきちんと出せる人にはおすすめです。そうなりたい人にもおすすめです。
採用情報はこちら