Web制作会社のエンジニアになりたいが、
何を勉強すればいいのだろう
どの教材をどれだけやればいいのだろう
と悩んでいる方も多いではないのでしょうか。
そこで実際に働いているエンジニアが、「今だったらこうするな」といった学習方法を紹介します。
学習でつまづいている方は参考にしてみてください。
目次
学習ポイント
ロードマップを紹介する前に、学習する上でのポイントを挙げます。
暗記しようとしない
わからなければ、ググって大丈夫です。検索能力を磨くこともエンジニアにとって大切なことです。
同じ教材を周回しすぎない
大切なことは何度も出てきます。
理解しきれていないと思っても2~3周で終わらせましょう。アウトプットを意識する
実際にコードを書きましょう。見るだけ、読むだけだと頭から通り抜けがちです。
また、勉強している内容をTwitterやブログで投稿したり、GitHubでコミットしてみるなどの学習の軌跡を残すといいです。
開発環境等
まず開発環境についてざっくり紹介したいと思います。
パソコン
パソコンはMacかWindowsどちらがいいかという問題がありますが、どちらでもいいです。
弊社ではWindowsを使っています。
エディタ
特にこだわりがなければ、エディタはVisual Studio Code(VSCode)一択です。
拡張機能を追加すると、機能が追加されます。
使いやすいようにカスタマイズしていきましょう。
おすすめの拡張機能は以下になります。
Beautify
Code Spell Checker
CSSTree validator
Highlight Matching Tag
HTML CSS Support
HTMLHint
indent-rainbow
Japanese Language Pack for Visual Studio Code
Live Server
php cs fixer
PHP Intelephense
WordPress Snippet
Zenkaku
ブラウザ
ブラウザは普段使っているGoogle ChromeやSafariなどのホームページを見るためのソフトです。
コーディングをしていると、ブラウザによっては表示が崩れていることがあります。
そのようなことがないようにブラウザチェックを行ってから、クライアントに提出します。
現在(2022年2月)の弊社の対象ブラウザは以下になります。
すべての環境でコーディングを確認できる状態が望ましいです。
Safari:最新版
Google Chrome:最新版
Microsoft Edge:最新版
iOS:10.0以上
Android:7以上
コーディングをする中、幾度となくIEに苦しめられてきましたが2022年6月16日(日本時間)にIEのサポートを終了することが告知されました。
それに伴い、弊社でもIEが対象ブラウザから外されております。
タイピング練習
タイピング速度は早いに越したことはないので、苦手な人は練習しましょう。
毎日勉強する前に練習するといいと思います。
おすすめの練習サイトを紹介しますので、ぜひ取り組んでみてください。
HTML & CSS
Web制作では、HTMLとCSSは避けて通れない分野です。
HTMLでサイトのコンテンツ構造を作り、CSSでサイトを見た目を調整します。
これらを学習することで、普段目にしているサイトを作成できるようになります。
おすすめ学習手順
・HTML & CSS 初級
・HTML & CSS 中級編
・HTML & CSS 上級編
・HTML & CSS Flexbox編
・(余裕があれば)各道場レッスン
または
ドットインストール
・はじめてのWeb制作
・Web制作の開発環境を整えよう Windows編 / Web制作の開発環境を整えよう macOS編
・詳解HTML 基礎文法編
・詳解HTML フォーム部品編
・詳解CSS 基礎文法編
・詳解CSS セレクター編
・詳解CSS フレックスボックス編
・詳解CSS レスポンシブウェブデザイン編
・実践!ポートフォリオサイトを作ろう
どちらかが終われば、1冊書籍に取り組む
・1冊ですべて身につくHTML & CSSとWebデザイン入門講座
・これだけで基本がしっかり身につく HTML/CSS&Webデザイン1冊目の本
Progateとドットインストールどちらがおすすめかと聞かれると、
経験がある、Progateが簡単という場合はドットインストール
です。
Progateはブラウザ上で完結するので環境構築の必要がなく、スライド形式でわかりやすく教えてくれます。
ドットインストールは動画学習で、自分で環境を構築する必要があります。
どちらも無料でできるレッスンがありますので、どちらが自分に合っているか確認してみてください。
迷った場合はProgateがいいと思います。
基本的なタグやスタイルから、レスポンシブデザインに対応したコーディングまで学んでいきます。
flexboxはコーディングする上で頻出です。しっかり理解しておきましょう。
慣れないうちは以下がまとまっています。
コーディングの途中でflexboxの使い方がわからなくなったら、参照してみてください。
Progateを選んだ場合、道場編は余裕があれば挑戦してみてください。
その前に以下の記事を読むとやりやすいかもしれません。
Progateが教えてくれない、デザインカンプからのコーディング手順
道場編は急に一からコーディングしないといけないので難しく感じやすいです。あと普通にProgateの採点が厳しいです。
ここで挫折するぐらいなら飛ばしましょう。
Progateやドットインストールで基本的なことが頭に入ったら、1冊書籍で学習しましょう。
書籍ではサイトの作り方を体系立てて教えてくれるので、より実践的なコードの書き方が知れます。
これから先も書籍のおすすめを紹介しますが、可能であれば購入する前に書店で一度目を通してみてください。
パラパラと内容や目次を見て、自分に合った本を選んでみてください。
Sass
SassはCSSを拡張した言語で、より効率的にスタイルを記述することができます。
おすすめ学習手順
・Sass I
Progateで基本を押さえた後は、使いながらわからない点を調べていきましょう。
もっと網羅的に知りたいという方は、以下の書籍がおすすめです。
Web制作者のためのSassの教科書 これからのWebデザインの現場で必須のCSSメタ言語
Sassを導入方法は色々あるのですが、VSCodeの拡張機能を追加するのがおすすめです。
拡張機能はいくつかありますが、DartJS Sass Compiler and Sass Watcherがおすすめです。
Sassには3つ実行環境があるのですが、現在はDart Sassのみが推奨されています。
Ruby Sass
LibSass
Dart Sass
現在、Dart Sassに対応している拡張機能は先ほど紹介した拡張機能のみです。
以下の記事を参考に導入してみてください。
Dart SassをVSCodeの拡張機能(プラグイン)で利用する方法を紹介
JavaScript
JavaScriptによって、サイトに動きをつけることができます。
ここでJavaScriptの基本的な文法を知りましょう。
おすすめ学習手順
・JavaScript I
・JavaScript II
・JavaScript III
または
ドットインストール
・はじめてのJavaScript
・詳解JavaScript 基礎文法編
・詳解JavaScript オブジェクト編(最低1~5, 11~17)
・詳解JavaScript DOM編
または
HTML・CSSと考え方が変わってくるので、JavaScriptの理解が進まず手が止まってしまうことがあるかもしれません。
最初はわからなくても、教材のコードを写経(コードを写す)してみましょう。
こんなことができるのだな、ぐらいの理解でいいです。
また、Web制作でのJavaScriptを利用する場合はDOM操作がほとんどです。
Progateでは扱われていないので、こちらの記事を読んでおくといいです。
jQuery
jQueryはJavaScriptの記述を簡単に書くことができるライブラリです。
またプラグインも豊富で、複雑な動きを簡単に実装できます。
jQueryはオワコン、などと言われることもありますがWeb制作ではまだまだ現役です。
基本的な書き方をわかったら、モーダル、ハンバーガーメニューなどの頻出パーツを実装してみましょう。
おすすめ学習手順
・jQuery 初級編
・jQuery 中級編
・jQuery 上級編
または
ドットインストール
・jQuery入門
または
書籍
・動くWebデザイン アイディア帳
・jQuery標準デザイン講座
頻出パーツを実装できるようになる
・モーダル
・ハンバーガーメニュー
・スライダー
・アコーディオン
・ページトップリンク
など
書籍で紹介した動くWebデザイン アイディア帳ですが、期間限定でサイトが公開されています。
ここでWebサイトで使用される動きのあるパーツのほとんどが紹介されています。
ここを参考にコーディングしつつ、デザインに合わせてカスタマイズしていったり、より良い書き方を調べてみるといいと思います。
加えてパーツの実装方法をメモなどにストックしておくと、コーディングの効率がアップします。
デザインカンプからコーディング
ここまで来たら、アウトプットに挑戦してみましょう。
昔は模写コーディングが推奨されていました。
実務ではデザインカンプからコーディングを行いますので、模写コーディングは必要ありません。
無料でデザインカンプを配布してくれるサイトがあるので、ここで1~3サイトコーディングしてみましょう。
【デザインカンプ無料配布】未経験からのコーディング学習ステップ
Codestep | 作って学ぶコーディング学習サイト(HTML、CSS、JavaScript、WordPress)
それに伴い、各種デザインツールでコーディングに必要な情報を取得・画像の書き出しの仕方を覚えましょう。
体感ではPhotoshop > XD > Illustratorの順でデザインが来ます。
取得方法については以前ブログで書かれていますので、ぜひ参考にしてください。
【コーディング初心者向け】Photoshop・Illustrator・XDから余白やフォントサイズを取得する方法まとめ
またコーディングして終わりではなく、検証まで行ってください。
何を検証するかわからない方はこちらのブログを参考にしてみてください。
HTMLコーディングの検証ってどこ見るの?チェックポイントとよくある不具合をまとめました
基礎知識
以前書かれた弊社のエンジニアの記事にもありますが、Webの基礎知識を知っておくことは非常に重要です。
またエンジニアだとコマンドプロンプトでコマンドを叩くことがあります。
ですので基本的なコマンドについても学習しておきましょう。
おすすめ学習手順
・Command Line 基礎編
または
ドットインストール
・UNIXコマンド入門
書籍
・イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb技術の基本
・イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb制作と運用の基本
Git
Gitでソースコードなどのファイルの変更履歴を管理をすることができます。
そうすることで、複数人で作業した場合に相手のコードを上書きしてしまうことを避けたり、ファイルの過去の状態に戻せたりできます。
開発する上で欠かせないので、基本的な操作を知っておきましょう。
ちなみに弊社ではSourcetreeというGUIツールを使用して、Gitを利用しています。
おすすめ学習手順
PHP & データベース
次に、サーバーサイド言語を勉強しましょう。
Web制作でよく扱うWordPressで使用されているPHPがおすすめです。
おすすめ学習手順
・PHP I
・SQL I
・SQL II
・SQL III
または
ドットインストール
・はじめてのPHP
・詳解PHP 基礎文法編
・詳解PHP ウェブ開発編
・MySQL入門 基礎編
・(余裕があれば)MySQL入門 応用編
・詳解PHP データベース編
または
弊社ではデザイナーでコーディングができる方が多いです。
そこでエンジニアとしてどう存在感を発揮していくかというと、以下ができるかどうかになります。
PHPなどのサーバーサイド言語のコードが書ける
WordPressやECサイトなどのシステムの組み込みができる
PHPで一からシステム構築するスクラッチ開発も多いので、しっかり学習してほしい分野です。
ですのでドットインストールまたは書籍を使って勉強することをおすすめします。
PHPはがっつりさわらず、WordPressメインで行くならProgateでもいいかもしれません。
またドットインストールでは開発環境にDockerを導入しています。
難しい場合はMAMPで環境構築したので問題ないです。
WordPress
WordPressはオープンソースのブログソフトウェアです。
全世界のウェブサイトの43%がWordPressというぐらいシェアの高く、弊社でもWordPressを使ったサイト構築案件が多いです。
おすすめ学習手順
・[改訂版]WordPress 仕事の現場でサッと使える! デザイン教科書
・ビジネスサイトを作って学ぶ WordPressの教科書 Ver. 5.x対応版
または
Udemy(頻繫にセールを行っているので、そのタイミングで購入してください)
・WordPress開発マスター講座
WordPressの基本操作だけでなく、独自テーマの作成も求められます。
独自テーマを作成するにあたり、押さえておきたいポイントをいくつか挙げておきます。
動的部分と静的部分の区別がつく
カスタム投稿タイプ
カスタムタクソノミー
カスタムフィールド
テンプレート階層
教材での学習を終えた後、自分でコーディングからWordPressの組み込みまでやってみると大変力になると思います。
ローカルでWordPressを構築できるLocalを利用しても構いませんが、ぜひレンタルサーバーを借りて構築するのをおすすめします。
レンタルサーバーの操作を学ぶことができますし、そのままポートフォリオとして公開することもできます。
WordPressはネット上にたくさん情報があります。
困ったことや実現したいことを検索すれば大抵ヒットしますので、試行錯誤しながら作成していきましょう。
今後の学習方針
これから先は、自分の進みたい分野をどんどん学習していきましょう。
以下のサイトで分野ごとのロードマップを見られます。
まとめ
やることが多いですね!
Web業界はどんどん新しい技術が出てくるので学習に終わりはないですし、仕事内容も楽とは言えません。
それでもWeb制作のエンジニアを目指したいという方は、参考にしてみてください。
また弊社のブログでは、Web制作に役立つ記事を多数公開しています。ぜひご覧ください。