Git関連のインストールは選択項目が多いため、慣れていない人にとっては何を選んでよいのか分からないことがあるかもしれません。
そこで今回は画像と補足をいれながら
①Git for Windows Version 2.34.1
②Soucetree Version 3.4.7
③TortoiseGit Version 2.12.0
の順番でインストール手順を紹介していきます。
「Git」だけではなく、「Soucetree」や「TortoiseGit」のようなGit GUIを入れることで初心者でも使いやすくなると思います。
目次
- 1 Git for Windowsのインストール
- 1.1 インストーラーのダウンロード
- 1.2 インストーラーの実行
- 1.3 ライセンス確認
- 1.4 インストール先の選択
- 1.5 コンポーネントの選択
- 1.6 スタートメニューの選択
- 1.7 テキストエディターの設定
- 1.8 新しいリポジトリ作成時のブランチ名
- 1.9 環境変数パスの設定
- 1.10 ssh.exe ファイルの選択
- 1.11 HTTPSの設定
- 1.12 改行コードの設定
- 1.13 ターミナルの設定
- 1.14 git pullの設定
- 1.15 資格情報マネージャー(Credential Manager)の選択
- 1.16 オプションの設定
- 1.17 試験運用オプション
- 1.18 インストール開始
- 1.19 インストール完了
- 2 Sourcetreeインストール
- 3 TortoiseGitインストール
- 4 動作確認
- 5 おまけ
- 6 まとめ
Git for Windowsのインストール
インストーラーのダウンロード
以下のサイトからインストーラーをダウンロードします。
インストーラーの実行
ダウンロードしたインストーラーexeファイルをダブルクリックして実行します。
ライセンス確認
ライセンス情報を確認して内容に同意したら次へ進みます。
インストール先の選択
インストール先のフォルダを選択します。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
コンポーネントの選択
インストールするコンポーネントを選択します。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
Additional IconsOn the DesktopGit | Bash起動のショートカットをデスクトップに置く。 |
---|---|
Windows Explorer Integration | 右クリック時のコンテキストメニューに関する設定。チェックを入れるとコンテキストメニューから「Git Bush」や「Git GUI」を利用可能になる。 |
Git LFS (Large File Support) | Git LFS がインストールされる。 |
Associate .git* configration files with the default text editor | 「.git」で始まる設定ファイルを規定のテキストエディターと関連づける。 |
Associate .sh files to be run with Bash | 「.sh」ファイルをGit Bashで実行する。 |
Check daily for Git Windows updates | 毎日Git for Windowsのアップデートがあるか確認する。 |
Add a Git Bash Profile to Windows Terminal Windows | Terminal に Git Bash が追加される。 |
スタートメニューの選択
Windowsスタートメニューに表示するフォルダの名前を設定します。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
スタートメニューへ追加したくない場合は「Don’t create a Start Menu folder」にチェックを入れます。
テキストエディターの設定
コミットメッセージ等の入力に使用する、テキストエディターを選択します。Git Bash や コマンドプロンプト、PowerShell などでメッセージ入力が必要なGitコマンドを実行すると、選択したエディターが起動します。
特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
新しいリポジトリ作成時のブランチ名
新しいリポジトリの最初のブランチ名を設定します。デフォルトの「Let Git decide」を選択すると「master」というブランチ名が使用されます。
特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
Let Git decide | デフォルトのブランチ名を「master」にする。 |
---|---|
Overrride the default branch name for new repositories | デフォルトのブランチ名を、指定したブランチ名に変更する。 |
環境変数パスの設定
Windows の PATH環境変数に追加するフォルダを選択します。
環境変数の設定を行います。デフォルトでは「Git from the command line and also from 3rd-party software」が選択されています。これはコマンドプロンプトや、他のコマンドラインツールでgit
コマンドを使用できるようにするための環境変数を設定するものです。
特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
Use Git from Git Bash only | Git を Git Bash でのみ使用する場合に選択する。 |
---|---|
Git from the command line and also from 3rd-party software | Git を DOSプロンプト や PowerShell でも使用する場合に選択する。 |
Use Git and optional Unix tools from the Windows Command Prompt | DOSプロンプト や PowerShell で Unix のコマンドが使えるようになる。 |
ssh.exe ファイルの選択
gitでSSHを使って操作するときに、gitの持つOpenSSHを使用するか、外部のOpenSSHを使用するか決定します。
特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
HTTPSの設定
リモートリポジトリに接続する際の設定です。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
Use the OpenSSL library | OpenSSLが持つルート証明書を使用する。 |
---|---|
Use the native Windows Secure Channel library | WindowsのSecure Channelのルート証明書を使用する。 |
改行コードの設定
チェックアウト・コミット時に、改行コードを自動変換するか設定します。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
Checkout Windows-style, commit Unix line endings | チェックアウト時に改行コードをCRLFに変換、コミット時にはすべてLFに変換する。 |
---|---|
Checkout Windows-style, commit Unix line endings | チェックアウト時に改行コードは何もしない、コミット時にはすべてLFに変換する。 |
Checkout as-is, commit as-is | チェックアウト時にもコミット時にも改行コードは何も変換しない。 |
ターミナルの設定
Git Bashで使うターミナル・エミュレータの設定します。MinTTY(Cygwinで使われているコンソール)を使用するか、Windowsの標準コンソールを使用するかチェックしてください。
特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
git pullの設定
git pull でマージを行う際の挙動を選択します。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
資格情報マネージャー(Credential Manager)の選択
入力を最初の一度だけ行い、後の入力を省略することが可能になります。
オプションの設定
追加オプションの設定を行います。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
Enable file system caching | Git関連のファイルをキャッシュし、動作を速くする。 |
---|---|
Enable symbolic links | リポジトリ内でシンボリックリンクを使用する。 |
試験運用オプション
開発中の機能のため、意図せぬ動作をする場合があります。
Enable experimented built-in file system monitorはbuilt-in file system watcher(多数のファイルがある場合にGitコマンドを高速化させるツール)をgitコマンド上で利用するかどうかの選択も可能です。
どちらも不要の場合はデフォルトのまま「Install」をクリックし、次へ進みます。
インストール開始
インストール完了
インストールが完了したら、「Finish」をクリックしてインストーラーを閉じます。
ここまでで、Gitのインストールは完了です。次はSourcetreeを入れましょう。
Sourcetreeインストール
Sourcetreeは、本来ならコマンドで操作するものをビジュアル的でとても感覚的に操作できるため、Gitの操作が容易になります。
インストーラーのダウンロード
以下のサイトからインストーラーをダウンロードします。
Sourcetree https://www.sourcetreeapp.com/
インストーラーの実行
ダウンロードしたインストーラーexeファイルをダブルクリックして実行します。
アカウント登録
インストーラーが起動したらSourcetreeのインストールが始まります。すぐに登録画面が出てくるので、Bitbucketアカウントとの紐づけを行います。
アカウントが無い場合は下の「Create one for free」のリンクからアカウントの作成が出来ます。
Bitbucket Server か Bitbucket のアカウントがある場合は該当のアイコンを選択して紐づけを行い、「次へ」をクリックして進みます。
ツールのインストール
ツールのインストール画面が表示されます。分散バージョン管理システムの「Mercurial」をインストールする必要があれば、チェックボックスにチェックを入れて「次へ」をクリックして進みます。
環境設定
コミット時などに利用されるユーザー名とメールアドレスを入力し、「次へ」をクリックして進みます。
SSHキー読み込み
「はい」を選択し、対象キーを読み込みます。特に無い場合、また後で設定する場合は「いいえ」を押してスキップします。
ここまでで、Sourcetreeのインストールは完了です。次はTortoiseGit を入れましょう。
TortoiseGitインストール
TortoiseGitもSourcetreeと同じくコマンドを使わずに操作する事が出来ます。
TortoiseGitを入れるメリットは、エクスプローラーから右クリックで操作できるようになるので、クローンや特定のファイルの差分等が確認しやすくなることです。
インストーラーのダウンロード
以下のサイトからインストーラーと日本語化パックをダウンロードします。
インストーラーの実行
ダウンロードしたインストーラーexeファイルをダブルクリックして実行します。
ライセンス確認
ライセンス情報を確認して内容に同意したら次へ進みます。
インストール先の選択
インストール先のフォルダを選択します。特に指定が無ければデフォルトのまま次へ進みます。
インストール開始
「Install」をクリックしてインストールを開始します。
インストール完了
インストールが完了したら、「Finish」をクリックしてインストーラーを閉じます。
TortoiseGitの日本語化
ダウンロードした日本語言語パックを実行し、TortoiseGitを日本語化します。
セットアップが完了したら、「Configure TortoiseGit to use this language」にチェックを入れ、インストーラーを閉じます。
動作確認
動作確認のためテスト用gitをクローンします。
以下の手順通りクローンが出来れば動作に問題ありません。
SSH接続の場合初回のみ以下のようなメッセージが出るかもしれませんが「はい」を選択します。
SourcetreeとTortoiseGitを併用する場合は、git自体の設定は共有されるので片方の確認で大丈夫です。
おまけ
「TortoiseGit」でssh秘密鍵が読み込まれない場合
TortoiseGit設定からNetworkに移動した先のsshクライアントで、TortoiseGitPLinkへのパスを指定します。
1 2 3 | C:\Program Files\TortoiseGit\bin\TortoiseGitPlink.exe |
上記のパスが指定されていて「Sourcetree」でssh秘密鍵を読み込んでいれば、「Sourcetree」を起動する事で「TortoiseGit」でも設定が共有されます。
「TortoiseGit」だけでGit運用したい場合
「TortoiseGit」でクローン画面に移動してssh秘密鍵を読み込みます。
「Sourcetree」で誤ったユーザー情報が保存された場合
誤ったユーザー情報が保存されてしまい、下記の様なエラーが表示されると思います。
オプションの認証画面にも表示されない場合の対処法を二つ紹介します。
fatal: Authentication failed for ‘リポジトリurl’
gitは正常に終了しませんでした (終了コード 1)
①内蔵GitとシステムGitを切り替える
Sourcetreeの[ツール] > [オプション] > [Git] から変更できます。
下記の様な状態だとシステムGitが使用されています。
Embedded | 内蔵Gitを使用する |
---|---|
System | システムGitを使用する |
②ユーザー関連のログを消去する
①で改善できない場合は、一度「Sourcetree」を閉じた状態で、ローカルにある下記ファイルを削除することで再設定が可能になります。
1 2 3 4 5 6 | C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Atlassian\SourceTree\bookmarks.xml C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Atlassian\SourceTree\opentabs.xml C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Atlassian\SourceTree\userhosts C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Atlassian\SourceTree.exe_URL_<ランダム文字列>\<バージョン>\user.config |
「Sourcetree」のSSH接続でエラーが出た場合
「ソースパス/ソースURLとして正しくありません。」と出てしまい、下記の様なエラーメッセージが出た場合の対処方法を紹介します。
「管理者権限」で「コマンドプロンプト」を開いて、下記のコマンドを実行して「plink.exe」を手動で起動させることで解消できます。
1 2 3 | "C:\Users\(user)\AppData\Local\SourceTree\app-(version)\tools\putty\plink.exe" -ssh -C -i "D:\xxxx\xxxx.ppk" (SSHのポート番号 ドメイン名) |
もしくはこちらの方法でTortoiseGit側でSSH設定することでも解消できます。
参考
Gitインストール手順<Windows向け>
WindowsにGitをインストールする手順(2022年1月更新)
まとめ
今回は「Git」、「Sourcetree」、「TortoiseGit」のインストール手順についてまとめました。特別に理由がなければ、デフォルト選択肢に沿ってインストールしていけば問題ありません。
「Sourcetree」や「TortoiseGit」等のGit GUIクライアントをインストールする場合には「Git」の導入から始めるとログイン情報等の追加設定も必要なくスムーズに行えるのでインストール順には気を付けましょう。
また少々手間ですがインストール手順に出てきた初期設定は、あとからでも設定ファイルにある設定値を書き換えることで再設定することもできます。
大抵「/etc/gitconfig」にありますが、項目によっては別のファイルを参照している場合もあるので注意して下さい。
書き換える項目や設定の確認方法はこちらを読んでみて下さい。
Git構築の際に少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!