CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)でサイトを運用するとなったとき、どのCMSにするか迷いませんか?
今回はCMSの1つであるMovable Typeについて紹介します。
Movable Typeはセキュリティの高さやサポートの手厚さから、国内で多く導入されています。
ご存じでない、または導入するか悩んでいるという方はぜひ読んでみてください。
またCMSの選び方については以下の記事を参考にしてみてください。
【中小企業向け】最適なCMSを選んで自社サイトに集客しよう!~選定の観点と重要性~
この記事ではMovable Type 7を取り上げています。
他のバージョンでは名称や構成が違うことがあります。ご了承ください。
目次
Movable Typeとは?
Movable Type(MT)は、シックス・アパート社が提供しているCMSソフトウェアです。
個人では無料で利用できますが、商用利用ではライセンスが有償になります。
特徴の1つとして、テンプレートでPHPは記述できません。
代わりに独自のテンプレートタグ(MTタグ)を使い、色々な処理を行っていきます。
たとえば記事の一覧を表示する場合、以下のようにテンプレートに記述します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 | <mt:Entries lastn="10"> <mt:EntriesHeader> <div class="hfeed"> <h1>記事</h1> </mt:EntriesHeader> <div class="hentry entry" id="entry-<$mt:EntryID$>"> <h2 class="entry-title"><a rel="bookmark" href="<$mt:EntryPermalink$>"> <$mt:EntryTitle$> </a></h2> <ul class="meta"> <li class="published"><abbr title="<$mt:EntryDate format_name=" iso8601"$>"><$mt:EntryDate format="%b %d, %Y %H:%M" language="en" $></abbr></li> <mt:EntryIfTagged> <li class="tag"> <ul> <mt:EntryTags> <li> <$mt:TagName$> </li> </mt:EntryTags> </ul> </li> </mt:EntryIfTagged> </ul> <div class="entry-content"> <$mt:EntryBody$> </div> <address> <span class="vcard author">Posted by: <a class="url fn" href="<$mt:EntryAuthorURL$>"> <$mt:EntryAuthorDisplayName$> </a></span> <span class="updated">Last update: <abbr title="<$mt:EntryModifiedDate format_name=" iso8601"$>"> <$mt:EntryModifiedDate format="%b %d, %Y %H:%M" language="en" $></abbr></span> </address> </div> <mt:EntriesFooter> </div> </mt:EntriesFooter> </mt:Entries> |
引用:MTEntries
<mt:○○>がMTタグになります。
最初は見慣れないかもしれませんが公式リファレンスが充実しているため、そこまで困りません。
よく見ればHTMLタグのようでプログラミング言語の知識を必要としないため、コーダーの方にも取っつきやすいかと思います。
MTタグは再構築することでを処理され、静的なファイルを生成・更新します。
テンプレートの変更や記事などの更新があった場合は、再構築するのをおすすめします。
または再構築トリガーを設定すると、任意のタイミングで再構築が行われます。
Movable Typeのメリット・デメリット
WordPress(WP)と比較したMTのメリット・デメリットをお伝えします。
メリット
メリットは以下のようになります。
セキュリティが高い
オープンソースだと情報が多い分、サイトが攻撃対象になりやすいです。(サイトの改ざん、不正プログラムなど)
その点MTはパッケージ型CMSなので、一定のコードの機密性が保たれています。サポートが手厚い
ライセンスを購入すると、1年間無料でメンテナンスがつきます。
それ以降は年ごとにメンテナンス費用を払うことで、公式のサポートを受けることができます。ページの表示速度が速い
WPはページにアクセスがある度にデータベースに接続して、PHPで動的処理を行っています。
それに対して、MTはCMSから出力された静的ファイルを表示するだけです。
ですのでサーバーの負荷が軽く、ユーザーが快適にサイトを閲覧できます。
またサイトにアクセスするときにデータベースに接続しないため、セキュリティ面でも安心です。プランが豊富
さまざまなプランが用意されており、自社に合った形式を選ぶことができます。
デメリット
デメリットは以下のようになります。
ライセンス費用など初期費用が多くかかる
WPは無料で利用できるのに対して、MTは商用での利用にお金がかかります。
プラグインを導入する場合も、有料のものが多いです。情報が少ない
オープンソースではないためか、敷居が高くWPなどより情報が少ないです。
それは対応できる制作会社が少なさにもつながります。プラグインの数が少ない
開発者が少ないため、プラグインの数が少ないです。
複雑なカスタマイズをする場合は一から実装する必要があり、開発コストが発生するかもしれません。
Movable Typeのコンテンツ設計
以前は最上位にウェブサイトが存在し、その下にブログ、記事、ウェブページを作成して階層構造を構築していました。
MT7からはブログという名称はなくなり、すべてサイトで統一されています。
サイトの中にサイト(子サイト)を作成することもできますが、新しく追加されたコンテンツタイプによってさらに柔軟に構築できます。
MTを構築する前にサイトマップやディレクトリ構造を確認して、設計することが大切です。
記事
WPにおける投稿に相当します。
頻繁に更新し、時系列に並べて公開するコンテンツの管理に向いています。
カテゴリを設定できます。
ウェブページ
WPにおける固定ページに相当します。
更新頻度の低いコンテンツの管理に向いています。
カテゴリを設定できない代わりに、フォルダが設定できます。
それによって公開するURLやファイル名を指定など、階層構造を変更できます。
コンテンツタイプ
コンテンツタイプはユーザーが入力する項目(コンテンツフィールド)を自由に設定し、利用します。
コンテンツタイプで入力されたデータをコンテンツデータといいます。
カテゴリセットを使うことで、コンテンツタイプにカテゴリが設定できます。
コンテンツタイプを利用することで、1つのサイトで複数のコンテンツを管理できます。
個人的に、コンテンツタイプ同士で連携できるのが便利だなと思いました。
今までブログの記事同士を連携するには、カスタムフィールドを設定して記事IDを入力していただく形を取っていたので、ありがたいです。
しかしコンテンツタイプは、以下の記事のようにできないこともあります。
コンテンツタイプを採用する際はできないことを把握して、クライアントとすり合わせておきたいですね…。
以上を踏まえて、詳細ページを必要とするコンテンツは子サイトで管理するのが無難と思っています。
詳細ページを必要としないコンテンツは、コンテンツタイプを使うと便利そうです。
コンテンツタイプは学習サイトが公開されているので、興味がある方はぜひ見てみてください。
まとめ
Movable Typeは手厚いサポートとセキュリティの高さから、国内で多数利用されているCMSです。
情報が少なさに戸惑うこともあるかもしれませんが、公式のリファレンスが非常に充実している印象です。
管理画面の操作方法については、ぜひ一通り見ることをおすすめします。
弊社はWordPressでのサイト構築が得意ですが、Movable Typeでの開発実績もございます。
お悩みの際はぜひ弊社にお問い合わせください。