
今年の漢字を一文字で表すと「帰」です。
ここ3年ほど、さまざまな経験をさせていただきました。
特に大きかったのは、ビジネス交流会に参加するようになり、「仲間」と呼べる友人が増えたことです。
お酒を酌み交わしながら情報交換をし、時には仕事を離れて遊び、学び、楽しむ。
これまでの自分にはなかった時間と刺激が、そこにはありました。
私は営業経験もありますが、どちらかというと制作出身です。
そのため、社外の方に対してどこか距離を取ってしまったり、お酒の席でも真面目すぎる印象を与えていたかもしれません。
自分から社外の方を飲みに誘うことも、以前はほとんどありませんでした。
しかし、今は違います。
こうした経験を通じて、社交の場での振る舞い方や、人との関わり方の“さじ加減”が少しずつ分かってきました。
これは自分にとって、非常に大きな成長だったと感じています。
また、別の組織に所属し、自分が代表ではない立場で仕事をする経験も、とても新鮮でした。
社長になってからずっと、「一度でいいから、もう一度社員として働いてみたい」という思いがどこかにありましたが、
その願いが少し叶ったような、不思議な感覚もありました。
一方で、利害関係が完全には一致しない環境の中で、
自社の業務に十分な時間やエネルギーを割けていないことに対して、
社内のメンバーへ申し訳なさや罪悪感を覚えるようにもなっていました。
この期間にチーム制を進め、リーダーに多くの権限を委ねてきました。
その結果、今ではリーダーという存在が欠かせない、非常に頼もしい存在になっています。
人に仕事を任せ、任せた結果としてうまく回る——
その成功体験を得られたことも、私にとっては大きな収穫でした。
現在の私は、なるべく実案件には深く入り込まないようにしています。
それでも組織が回り、成果が出る未来が、少しずつですが見えてきています。
改めて、今年の漢字は「帰」。
「帰る」という意味の「帰」です。
楽しい経験や新しい挑戦を重ねる一方で、
「実は前のやり方の方が良かったのではないか」と感じる場面も増えてきました。
当時は「こんなものかな」と思いながらやっていた仕事の進め方や判断が、
振り返ってみると、実はとても理にかなっていたと気づくこともあります。
前の方が良かったと気づけたこと自体も、ひとつの成長だと思っています。
3年前と比べると、売上は横ばいで、会社のキャッシュは減っているという現実があります。
この状況を変えるためにも、すべてを元に戻すわけではありませんが、
「戻すべきところは戻す」決断をしようと考えています。
また、年初に掲げた売上目標と、会社のキャッシュに関する目標についても、
どうやら達成できそうな状況になってきました。
勢いよく右肩上がり、という形ではありませんが、
さまざまな出来事が重なった結果として、願いが形になりつつあります。
「願いは、意外な形で叶うことがある」
そんなことを、改めて実感した一年でもありました。
何かを失ってからではなく、その前に気づけて本当によかった。
来年から“帰ろう”と決めた、2025年でした。
では。
城戸。




